6月24日(月)配信 グローバルサイエンス株式会社 会長 笠原征夫
中央大学卒業後、電通入社。その後、製薬会社、化粧品会社での勤務を経て33歳で化粧品のOEM会社を設立。エステサロンでの美容機器の潜在的需要に着目し、美容機器の開発製造に着手する。現在は医療機器の開発も開始、先端の美容医療を目指している。
笠井:グローバルサイエンス株式会社はどういった会社ですか?
笠原:美容機器に特化している会社です。元々は化粧品から始まって美容全般をやっていたのですが、幅広くやるよりはニッチな方が良いかなぁと思いまして。
笠井:ニッチの方が良いっていうのは、敵が少ないってことですか?
笠原:一つはそうですね。美容機器業界でメイドインジャパンはほとんどゼロに近いです。工場を持ってるところはほとんどなくて、みんな輸入なのです。
笠井:最初からメーカーをされてたんですか?
笠原:いやいや、我々も同じで。とりあえずは輸入して売っていたわけですね。海外へ行くと、トヨタさんやキャノンさんなんかが世界に羽ばたいているわけですが、なんで日本の技術があるのに美容機器をやらないのって、こういう声が山ほどあるわけです。
笠井:美容機器に関して日本は遅れていたのですね。誰もやっていないことをやるのはとても大変なことだと思うんですよ。会社を立ち上げる時はどうでしたか?
笠原:やっぱりニッチなところを目指しまして。化粧品の知識が豊富だったので、OEM(他社ブランドから製造を請け負う)、つまり相手のニーズに合わせた商品を作ってあげましょうと。相手が合わせてくれれば、こっちは簡単にできるわけですね。一番リスクがない商売だ、ということで化粧品のOEMからスタートしたのです。
笠井:ホームページを拝見しますと、高性能なシェイプアップマシンや脱毛の最新美容機器が載っていまして、これは開発からやっていらっしゃるのですか?
笠原:自画自賛すれば、開発からって言って良いと思うんですが。
笠井:日本のメーカーがこれまで作っていなかった美容機器を作って販売するという。これ、国内にもそれなりのインパクトがあったのではないでしょうか。
笠原:そうですね。今年からはかなり差別化をしていますよ。
笠井:まさに今拡大しつつあるところなのですね。ちょっと変な質問で申し訳ないんですが、美容は儲かるなんて話を時折聞くんです。この考えは間違っていますか?
笠原:全然間違っていません。
笠井:正直でいらっしゃる。ただ、素晴らしいサービスや製品を提供する会社がある一方で、評判の悪いものがニュースになったりしていますよね。そのあたり難しいところだと思うのですが、長年順調にやってこれた秘訣はなんですか?
笠原:クオリティの最重視です。要するに品質管理、開発する時はそこに最大の重点を置いているわけですね。今はもうネットの時代ですから、もし評判が悪ければ一夜で広まるわけですよね。会社が潰れちゃいますよね。逆に良ければいっぺんに広まりますけどね。そこだけは絶対譲っちゃいけないと。
笠井:美容品をネットで調べていると、異様に安くて口コミも良い製品に、思わぬトラブルがあったりする。美容って、安さも品質も、何をもって良いとするかという個人の判断もあるわけで。そこをどうやって生き抜くんですか?
笠原:モニターをいっぱい使って最初に市場調査を徹底的にやります。絶対これだったらいいだろうという確認が出来て初めて出しています。
笠井:なんとか安くしようとどんどん削っていくのはちょっとまずいですか?
笠原:そこはあんまり関係していません。全然値段違いますから、うちの商品は。
笠井:高品質にするとそれなりの値段はする。無理なコストダウンはしないと?
笠原:量をいっぱい売ろうと思ったらそうなっちゃうわけですね。量をいっぱい売ろうと思っていないんで。わかってくれる人が買ってくれればいいと。
笠井:それでビジネスとして成り立っていると。このグローバルサイエンス社の美容機器の、他社との違いというか強みはどんなところですか?
笠原:完璧に臨床例を取って発売していますので、効果性、安全性が他の会社と比べたら圧倒的に高いです。
笠井:評判、反応はいかがですか?
笠原:脱毛機の標準値段って今150万円ぐらいに下がっちゃったんですが、私どもの機器は400万円ぐらいで倍以上。でも、おそらく一番売れています。
笠井:やっぱり良いものなら売れるわけですね。あと、美容の世界は売りっぱなしじゃダメだって話もあります。そこはどうですか?
笠原:メンテナンスが十人以上いる会社ってうちしかないですね。下手したら外注でメンテナンスをやっているなんて会社もありますから。
笠井:自社でちゃんと責任を持つという。徹底してらっしゃいますね。そうした中で、笠原さんのこれからの未来へのビジョン、どんなものをお持ちですか?
笠原:原点に戻れば、美容も基本的には、やっぱり医療なんですね。大学の先生方の基礎研究が進んでいるので、私たちの業界も最先端医療の方に向かっています。
笠井:いわゆる美容医療を構築されようとしているわけですね。その道筋はかなり明確に見えていらっしゃる感じがしますね。
笠原:おかげさまで。ドクターの方を社内に迎えて、京都に医療センターを作りました。
笠井:美容クリニックをオープンされていると。自社の美容機器をお客さんに届ける流れができているわけですね。
笠原:なぜ京都かっていうと、最初から世界を見ているから。京都の町屋を買い取って、それを改良して作ったのです。
笠井:もう京都には外国の方もたくさん来ますし、世界に発信している。まさにグローバルサイエスと。
笠原: 7割は海外に、3割が国内にっていうのは最初から決めてるんです。
笠井:ますます世界に羽ばたいていかれることを期待するというよりも、もう目の前に来てるようですね。