8月26日(月)配信 一般社団法人国際生命意識協会 代表理事 叶礼美
1974年12月生まれ、2004年に英国人の先生に出会い現在の道へ。2008年にカリフォルニア州認可登録の聖職者としての資格、認可登録スクールとしての資格を得て、生命の一体性「ワンネス」の哲学と実践方法を伝える活動を開始。自身が理事を務める一般社団法人国際生命意識協会では、教育啓蒙、学会や医療との関わり、セラピスト・カウンセラー・スピリチュアリスト養成講座、ストレスマネジメントスキルなどの教授、民間資格認定、月刊誌連載などを行う。著書に『「わたし」が生きる意味がわかるワンネスの教科書』(ビジネス社)がある。
笠井:国際生命意識協会、どんなお仕事になりますか?
叶:スピリチュアリティ、霊性、そして一体性、ワンネスという言葉があるんですが、こういった思想をベースに、セラピストやカウンセラーの養成、講座などをしております。それから、ストレスマネジメントスキルなどの開発、民間資格認定なども。私の中では大人のための生涯教育の一つという風に捉えてるんですけれども、どのように生きるかっていうことですね。
笠井:カウンセリングの一種みたいなものと考えていいんでしょうか?
叶:カウンセリングにも色々な種類がありますが、私どもは人を単なる肉体と捉えるのではなくて、肉体を持った魂で、感情もあるし、思考も魂の領域もある、それをホリスティックに全人的に捉えて、セラピーやカウンセリングを行っているんですね。いわゆる心理的なカウンセリングだけではなくて、魂の領域ですとか生き方までカバーするようなタイプのカウンセリングになります。
笠井:お仕事のお相手は企業あるいは個人?
叶:ほぼほぼ個人のお客様ですね。受講生の方々に対してトレーニングを行って、その方たちが認定を受けて、カウンセリングやセラピーを他の方にできるようになるためのスクールをやっています。
笠井:今のお仕事をするきっかけは、海外での体験と聞きました。
叶:1999年にイギリスに留学をしたのですが、学校が終わった後に旅行したフィンランドでは、ちょうど夏至祭をやってまして。その時、サウナに入って湖に入らないとフィンランドの夏じゃないと言われて。元々フィンランドの夏至ってすごく寒いんですね。
笠井:それで湖に入るのですか?
叶:そうなんですよ。私は低体温症気味になってしまって、その2日後ぐらいに、突然体調を崩して入院をして、まさに生死の淵を彷徨うというような体験をしました。その時ふわっと苦しさとか、症状が全くなくなった瞬間がありまして、3ヶ月前に亡くなった叔父が見えたんです。叔父が亡くなった時、私はイギリスにいて日本に帰れなかったので、気にしていたんですけれども、最後は安らかに亡くなったんだっていうことがわかったんですね。その経験から、自分の中で死というものに対するイメージが変わりました。恐れるべきものじゃないんだと、安らぎなんだと。その後帰ってきて就職したのですが、体調を崩して、自分自身を治そうという道のりの中で、最終的に魂の領域まで行きました。
笠井:セラピスト、カウンセラーやスピリチュアリストの養成のお仕事は、ビジネスとして成立するのかなという純粋な疑問があるんですが、どうでしょうか?
叶:お仕事の仕方には、個人の方にセッションを提供するっていうやりかたと、大勢の方に教えるっていうやり方があると思うんですけれども、私が主にやっているのはセラピーのやり方を教える、資格を取っていただくためのトレーニングを施す方なんです。受講される方の中には、これをお仕事にしたいとはまだ思ってない方たちも結構いらっしゃるんですよ。自分自身の人生を向上させるとか、仕事のスキルを高めるとかですね。それから自分のいろんな課題、問題を整理整頓する、解決していくっていうために受けたい方もいらっしゃいます。
笠井:そういう方はどういうお仕事、役職の方だったりするんですか?
叶:色々ですね。会社の経営者もいらっしゃいますし、医師や医療者の方もいらっしゃいます。やはり常に命に向き合うわけですよね。
笠井:科学的な見地だけではなく、スピリチュアルな部分を取り入れていく人もいるんですね。
叶:そうです。今すごく関心が高まっていて、例えば今年、本を出版しまして講演会させていただいたのですが、東京、仙台、名古屋、大阪、福岡の5か所で開催しまして、東京では3名の医師の先生方がスピーチをしてくださり、仙台では精神科の先生がトークセッションをしてくださって、東北で活躍されている先生方も何人も参加されました。他に整体師の方とか、ご自分の仕事の幅を広げる、深みを持たせるという目的で来られています。
笠井:スピリチュアルな世界っていうのは、全然認めない人、深くそこに入り込んでいく人と分かれていると思います。叶さんとしては、この認めない人にわかってもらおうというよりは、わかる人たちに広めていこうということを今やってらっしゃると。
叶:分かる人たちというのは、そもそも興味がある人たちですよね。目覚めつつある方々もいらして、例えば、人生の意味ってなんだろうとか。それって私たちの本質を問う問いなので、何のために生きるのか、あるいは生きるのであれば、どのように生きるのかということを真摯に探求してるのが我々なんです。ですので、その重要性に気が付いた方たちにお話をしてるつもりなんです。
笠井:仕事をしていて嬉しい瞬間はどんな時ですか?
叶:「もう何十年も答えが見つからなかったことに、ようやく答えが見つかりました」とか、「腑に落ちました」「スッキリしました」とか、人生の色々な難題、課題がようやく乗り越えられたり、「報われました」と涙を流されたり、感動されたり。やっぱり人生の力を取り戻す瞬間に立ち会う時がすごく嬉しいですね。
笠井:最後になりますが、未来へのビジョンを教えてください。
叶:見えない世界を扱うので、誠実であること、社会性を大事にしていくことが重要と思っているのですが、私自身、社会人であり、母親であり、個人であるということで、その人間の根源的な本質的なテーマを扱っているというスタンスは変わらず、特殊能力がある人々がいたとしても、それは本来その人に備わっているものなので、特殊な演出は必要ないと思ってるんですね。ですので、特に日本の中においては、スピリチュアリティ、霊性は、人間の本質です。その探求がエンタメとか恐怖とかオカルトみたいになってしまっている。その社会の認知をみんなで変えていくことができたらなと思っています。