11月4日配信回
2024.11.04

11月4日(月)配信 やなぎ整形外科・漢方クリニック 院長 柳澤道朗

略歴

1966年生まれ、北海道札幌市出身。 1992年に弘前大学医学部を卒業後、 弘前大学大学院医学研究科卒業、医学博士号を取得。 その後、さまざまな整形外科で研鑽を積み、 2022年9月、「やなぎ整形外科・漢方クリニック」を開設。

笠井:さて、今回のゲストはやなぎ整形外科・漢方クリニック院長の柳澤道朗さんです。よろしくお願いします。

柳澤:よろしくお願いします。

笠井:おいくつでいらっしゃいますか?

柳澤:今年で58歳になります。

笠井:同世代ですね。さて、お仕事は整形外科中心ということでしょうか?

柳澤:そうですね。あとはリハビリテーションもあります。それらを中心としつつ、私のもう一つの専門である漢方医療も組み入れた形で診療しています。

笠井:外観も素晴らしいクリニックだと感じました。所在地は青森県の黒石市。ここはどんな街ですか?

柳澤:青森県といえば、ねぶた祭りのある青森市、お城のある弘前市、そして漁港のある八戸市が大きな街の代表です。黒石市は、その中の弘前市から10キロほど離れた隣町です。

笠井:弘前や八戸など大きな街ではなく、10キロも離れた黒石で開院したのはどうしてでしょうか?

柳澤:車社会なので、10キロだと実際のところ遠い感じはありませんね。黒石にはもともと整形外科が1軒ありましたが、残念ながら先生がご病気で亡くなられたのです。その後、私の同期の医師が引き継いでいたのですが、その方も諸事情により辞めてしまいました。それから2年ほどは、総合病院以外は整形外科がない状態。患者さんも大変でしょうし、自分で始めてみようと思い、改装を経て開業しました。

笠井:地域のため、患者さんのためという想いも強かったのですね。

柳澤:かっこよく言うと、そうですね。

笠井:病院名が整形外科・漢方クリニックというのは非常に特徴的だと感じます。整形外科と漢方を組み合わせるクリニックは珍しいのではないでしょうか?

柳澤:珍しく聞こえるとは思うのですが、実際のところ漢方を使っている先生は結構います。表の看板に出ていないだけで、診療に使われている先生は多いですね。

笠井:使っているだけではなく主軸にしているのは珍しいと思うのですが、何故でしょうか?

柳澤:自分がキャリアを積んでいく中で、漢方薬を使用して思いがけない回復をした方がいたのです。東洋医学もなかなかすごいと思ったことから始まり、本気で勉強してみようと思いました。

笠井:漢方の良いところは何でしょうか?

柳澤:整形外科はそれぞれのパーツを見る習慣がある一方、漢方では患者さん一人ひとりを全体として見る点ですね。

笠井:それが西洋と東洋の差なんですかね。

柳澤:例えば、膝が痛いのであれば膝を見る。レントゲンを撮り、骨が悪いなら手術が中心となる。それがどんな患者さんであっても、膝の状態に対して何かをするという発想になりがちなのです。しかし漢方の場合は、同じレントゲン像であっても、どんな人がそのような状態になったのかという点まで見るわけです。つまり、体格や年齢などを考慮に入れます。一見同じ病名や状態に見えても、使う薬は変わることがあるのです。

笠井:組み合わせることでいい方向に進む患者さんがいるのですね。

柳澤:そうですね。実感できたからこそ、自分の医療に漢方を取り入れてみようと思いました。

笠井:そもそも、何故医師を目指そうと思ったのですか?

柳澤:実は、もともと学校の体育の先生になりたかったのです。中学と高校は陸上競技をしていたのですが、高校で病気をしてしまいまして。手術をしたのですが、術後が思わしくなくて、マネージャーのようなことをしていました。当時はまるで夢が挫折したような感覚でした。一方で、全然違うことをやってみようと考え、整形外科の先生にはお世話になっていたので、自分も目指そうと思い、勉強しました。

笠井:では、そんな柳澤さんの仕事との向き合い方を3つのキーワードで伺っていきます。まず、柳澤さんの仕事のモチベーションの源はどういう点にあるのでしょうか?

柳澤:常に何かを知りたがることですね。満足をしないで、疑問に思ったことは追求すること。

笠井:大事なことですよね。次のキーワードは信念。柳澤さんの仕事の信念、今大切にしていることはどんなものでしょうか?

柳澤:スタッフ全員で患者さんを見ることと、自分自身も諦めないということですね。

笠井:患者さんも諦めがちですけど、先生自体も諦めない、と。では最後に柳澤さんが考えるビジョン、どんなことに挑戦したいと考えていらっしゃいますか?

柳澤:整形外科と漢方医療の融合、これらで体系だったものを作り上げたい気持ちがあります。また、東洋医学といえば、漢方薬ともう一つの柱になるのが鍼治療。実は私、時々東京に出てきてセミナーや講習を受けて練習をしているところでして。第三の方法としてぜひ身につけて、それら三本柱でやっていけたらと思っています。

笠井:やはり東洋医学の良さを取り入れるという点は重視していらっしゃるのですね。

柳澤:そうですね。

笠井:地域唯一の整形外科クリニックという重要なお仕事、これからも頑張っていただきたいと思います。

柳澤:ありがとうございます。

笠井:今日はやなぎ整形外科・漢方クリニック院長の柳澤道朗さんにお話を伺いました。ありがとうございました。