3月10日(月)配信 株式会社money time hack・お金と時間の学校® 代表取締役 雨谷亮

1987年2月生まれ、神奈川県横浜市出身。2009年に青山学院大学を卒業後、三菱東京UFJ銀行(現、三菱UFJ銀行)に入行。2015年には三菱UFJモルガン・スタンレー証券に出向し、M&Aアドバイザリー業務に従事。2018年に三菱UFJ銀行へ帰任し、法人営業に携わるお金と時間の学校。2020年に同銀行を退職し、Fintechベンチャー企業でのキャリアを積みつつ、同年に株式会社money time hackを設立。2021年には金融教育サービス「お金と時間の学校®」を開発し、YouTubeチャンネルは登録者数10万人を超える。
笠井:「お金と時間の学校®」とは、どんな学校なのでしょうか?
雨谷:名前の通り、お金を学ぶという場所になります。僕自身が金融業界にずっといたということもあり、主に金融投資を教える学校なのですが、僕はお金=時間、タイムイズマネーと考え、命だと思っています。なので、お金をうまくコントロールしたり、使えるようになってもらったりすることで時間的にも豊かになるという意味も込めて、「お金と時間の学校®」という名前となっています。
笠井:社名に登録商標マークがついているのは珍しいと思いますが、どういうことでしょうか?
雨谷:お金と時間の学校は、単語的にはありきたりな言葉ではある。ですが僕の思いを込めているので、自分のブランドとしてやっていきたいという思いが強くあり、商標登録は早々に行いました。
笠井:経歴を拝見しますと、青山学院大学を卒業後、三菱UFJ銀行に入社し、そのあと三菱UFJモルガンスタンレー証券に出向され、ま、いわゆるM&Aで企業統合などを経験されて三菱UFJ銀行に戻ってくるんですが、結局退職されて独立されたそうですね。銀行からモルガンスタンレー証券、更に銀行に戻ってきて営業本部へ。花形も花形で、辞める時に迷いはなかったのでしょうか?
雨谷:迷いましたね、子供もいましたし。

笠井:モルガンスタンレー証券に勤めたことが独立への原動力になったのでしょうか?
雨谷:それは間違いなく。要は、外資系のモルガンスタンレーの人たちと日常的に仕事をすることになって、一緒にチームを組んでプロジェクトとかやるわけですが、次の日にはキャリアアップで転職したとか、事業会社にCFOとしてヘッドハンティングされてとか、そういった事が日常的に起こる世界を目の当たりにして、僕は銀行に入った時は定年まで普通に勤めると思っていたので。
笠井:終身雇用の考え方ですよね。
雨谷:外資系の文化に触れたことで、そうじゃない選択肢もあるのだと考える中で、じゃあ何かできることはあるのか。僕は元々、何か教えるという、その動詞が好きだったのです。小さい頃から、授業についていけない友達に教えたりすることから始まり、塾講師のバイトをやっていたり、新人の教育担当も銀行時代にやっていたり。そういった事から、教えることと、自分の強みである金融を掛け合わせてビジネスをしてみたいという思いがあり、このお金と時間の学校につながっています。
笠井:お金あるいは投資に対する教育が必要だと思うのはどうしてですか?
雨谷:銀行を辞めて独立する時に抵抗もあったのですが、なんでそこを飛び越えられたかというと、僕自身大学生から10年近く投資をしていたという経歴があって、それなりの資産と、投資から得られる収入がそれなりにあったので、いわゆるライスワーク的な、食べるために稼がなきゃいけないという比率が、投資のおかげで少なくなってきていました。だから辞める、独立するという決断ができたっていう側面が結構ありました。
笠井:つまり、資金的な余力を持つことができれば、自分の人生の選択肢が増えるってことですね。
雨谷:そうです。経済的な豊かさがあれば、自分がやりたいと思ったことにはやりたいと言えるし、自分がやりたくないと思ったことはやらないと決断することもできる。僕の場合は、会社で自分のことが出来ない状況に息苦しさを感じた時に、やらないという決断をして、自分のやりたい方向に進めたという、こういった選択肢の広がりがお金のパワーだと思っている部分があるので、今このビジネスをしています。

笠井:仕事をしていて楽しい瞬間はどんな時でしょうか?
雨谷:先ほど教えることが好きだと言いましたが、できないことができるようになる瞬間。受講生には僕がきっかけで初めて投資をやろうと決めました、みたいな人もいます。
ゼロベースのところから実際にやって変われました、投資成果が出せるようになったので定年前に前倒して会社辞めました、などの声をいただいています。
笠井:まさに選択肢が増えたと。ただ一方で、先生に言われた通りやったけど損が出ましたみたいな話もあるのではないでしょうか?
雨谷:もちろんあります。投資の世界なので、絶対があるわけじゃないですし、不確実性に対するものがリターンとしてやってくる世界なので。その辺りとかはカリキュラムの中で学んでもらっていますし、仮にそうなった場合でも、中長期的に考えている投資なのか、それとも短期的に考えている投資なのか、色々聞いていくと、学んだ事を反映できていなかったというケースがほとんどなのです。
笠井:私はバブル崩壊で株をやめたので、100万円損したところでこれを持ち続けるのは怖いと思い、それ以来手を出していません。そういう人たちの心を解くようなこともやっているのでしょうか?
雨谷:僕がこだわっているのはテクニック的なところなのですが、それは金融のシステムの中でどう考えていくかという話なので、差はあまりできない部分でもあります。
ですが、そのバブルの時に売ったという話は、スキルや知識ではなく、感情の問題です。僕は一番投資で大事なのは、その感情の部分だと思っています。いい意味でビュンビュン動く世界なので、例えばコロナショックのような突発的な事が起きた時に乗り越えていけるように、精神的な、感情の部分のケアやサポートも結構大事なポイントだと考えています。
笠井:そういった市場の大きな動きにも対応されて、生徒の皆さんとコミュニケーションをとってらっしゃるのですね。
雨谷:投資は一生続けていくものなので、使い切って、0で死ぬって難しいじゃないですか。なので、それこそ次の世代に残したいと思ったら、ずっと続けていくものになるので、サポートも一生続けていくべきだと僕は思っています。だから、今僕は38歳で、投資を教える年代としては若めの方ですが、組織を作って、僕の下の世代を育てていけば、永続的にサポートができるので、そういった体制も作って行きたいと思います。
