3月17日配信回
2025.03.17

3月17日(月)配信 さくら株式会社 代表取締役 高橋和義

略歴

1985年8月16日生まれ。仙台商業高校卒業後は暫くフリーターだったが、20歳の時に建設現場の職人業を始める。配管工として4年間勤めたのち、25歳で個人事業主として独立し、2012年にさくら株式会社を設立する。

笠井:さくら株式会社の仕事の内容はどのような内容ですか?

高橋:弊社は、配管工事業をメインに、その周辺工事の機械の器具の設置を行っています。最近は発電所や半導体工場が多いですね。あとは、人の口に直接入るような食品関係のプラント工場の配管工事を主に手掛けている会社になります。

笠井:つまり、住宅や道路の配管ではなくて、工場の配管、しかも専門性が高そうですね。

高橋:普通の建物の空調とかそういったものよりは、かなり特殊な配管をやってますね。薬品を扱ったりするラインなどをよくやらせていただいております。

笠井:これはどちらにある会社ですか?

高橋:弊社は宮城県の宮城郡七ヶ浜町というところに本社を構えています。工場は2拠点あり、どちらも仙台市にあります。

笠井:経歴を拝見しますと、なかなかユニークな経歴をお持ちでいらっしゃいまして、仙台商業高校卒業後はしばらくフリーターと、ちょっとこれ親に心配かけてるパターンじゃございません?

高橋:お察しのとおりでございますね。

笠井:そして、20歳の時に建設現場の職人業を始められたと、フリーターから建設現場、これどういうきっかけでしたか?

高橋:当時恋人だった妻の妊娠が発覚して、いよいよ真面目に働かないとまずいぞと。そこから、知り合いに紹介していただいた会社に就職しました。

笠井:それが配管工なんですか?

高橋:この時はまだ配管工ではなく、コンクリート解体とかを行う会社だったんですが、1年でやめました。現場を見ていたら、配管工事か電気工事の方が将来的に良さそうだなと思い、前向きな転職でした。

笠井:配管って、地味な感じにも思えるんですけれども、何が良いと思ったんですか?

高橋:やっぱり電気工事と配管工事は、一つの現場でかなり物量があったので、こっちの仕事の方が食いっぱぐれがないかなと思っています。

笠井:将来性があるということも含めてですね。この配管工事のお仕事はどれくらいやりました?

高橋:勤めとしてはですね、4年くらいですかね。

笠井:それで、25歳で起業するって、すごいチャレンジャー。どうしてこんなに早く独立できたんですか?

高橋:22、23歳くらいの時にちょっと大きい現場を副責任者という形で任せていただくようになったんですが、その時は定時が夜の10時みたいな過酷な現場だったんですね。

笠井:ブラックだったと。

高橋:でも振り返れば、そこがやっぱり私の力量を持てるようになった大成長の現場になりました。当時23歳ぐらいだったんですが、君若いけどよくやるねという感じで、「よかったら今度はうちの仕事手伝わないか」といろいろ声をかけていただけるようになり、これはもしかしたら自分で起業したらいけるかなと思い始めました。

笠井:会社からの依頼じゃなくて、いろんな会社さんが高橋さんに直接話をかけてると。そこはもう一生懸命働いた結果、いけると踏んだんですね。

ご家族の反対などはなかったですか?

高橋:妻からは、もういいから黙って勤めててくれという感じでしたね。

笠井:やっぱそうなりますよね。

それで起業するとなると、これは会社をつくったんですか?

高橋:ここでまずフリーとして独立しました。本当に従業員もゼロで、12、3万のボロ車を中古で買って、もう本当にちょっとの工具で、現場契約というよりちょっとしたお手伝い感覚ですよね。

笠井:なんとかなっていった?

高橋:なんとかなっていきました。

笠井:それはやっぱり技術と信頼があったからでしょうね。

高橋:そうですね。あと無駄に体力だけはあったので、夜でも全然行きますよみたいなスタイルでした。後、このタイミングがちょうど2011年で東日本大震災の後だったので。

笠井:じゃあもうたくさん復興の現場で働かなきゃいけない時じゃないですか。

高橋:そうでしたね。

笠井:そういった一つの需要と供給の中での、ニーズに応えたわけですね。そこで会社をつくったということですね。

高橋:一年やって会社を法人化しました。

笠井:創業社長ということになりますけれども、そこから今は何人ぐらいの従業員の方なんですか?

高橋:今は50名正社員としては超えてきまして、別でパートさんもいます。

笠井:正社員だけで50人も?

高橋:そうですね。身一つで始めて、13年ほどでここまでなんとか来ることができました。

笠井:そういう意味では配管はいけるという、現場で培った目というのは正しかったってことですね。さくら株式会社の特徴や強みはどんなところにありますか?

高橋:配管工事業をメインとして始めたんですが、だんだん事業を続けていくにあたって、この機械設備などそういった周辺工事もしっかりできるように会社にしたことで、事業が大きくなっていったいいきっかけになったと思いますね。

笠井:あと、自社工場を持っていらっしゃるということですが、これは配管を作っているってことですか?

高橋:そうですね。配管だったり、あとは大きいプラントの鉄骨の架台を制作したりしています。

笠井:ずいぶん事業を広げましたね。それはどうしてですか?

高橋:私たちプラントとか半導体などの工事をやっている会社は、本当に北海道から沖縄まで出張で現場に行くようなスタイルなんです。でも、子育て世代の若いメンバーが多い会社なので、どうやって地元に仕事を増やそうかなって考えた時に、こうなったらもう自社工場を地元に大きく構えて、自分のところで全部一から制作できる会社にしようと決めました。

笠井:でも、配管は自分のところで作って、それで工事も行いますよということですね。

高橋:そうですね。なるべく内製化するようにしています。

笠井:そして、女性従業員っていうのがキーワードになってるようですね。

高橋:そうですね。やっぱり男の仕事っていうような印象を受ける職種なんですが、私はこの仕事やっていて結構女性でもいけるなとずっと思っていました。また女性が躍進する会社も作りたいなっていうのが前々からあったので、女性の職人を育てるという会社になったら面白いなって思ったんですよね。あと、シングルマザーやシングルファザーなど、そういった人も働きやすい会社作りができれば、社会的意義も強みが増すかなと思い力を入れています。

笠井:何人か女性の配管工さんがいらっしゃるということですか?

高橋:そうですね、現在は女性の職人は5人いて、さらに新卒で2人の女性が入ります。

笠井:そういう意味では、女性の職人さんが多い会社ってことになりますね。

シングルマザーのお母さんが職人になると、子育てとの両立が難しい面もありますよね。

高橋:そうですね。弊社では働きやすい環境を作るために、最近できた新事務所の1階には託児室を設けて、子連れ出勤できる会社作りをしています。

笠井:どんどん発展して進んでますね。喜ばれてません?

高橋:やっぱそこは喜んでくれていると思いますね。うちの社員も非常に子供が多いので、やっぱり人の幸せを考えたときに、仕事だけやってればいいっていうものじゃなくて、仕事と家庭の両立、これは非常に幸せに重要なことだとは思うので、会社もその一端を担えればと思っています。