5月19日(月)配信 株式会社シーエープラント 代表取締役社長 伊地知祐吉

1976年9月27日生まれ。2013年、株式会社シーエープラント入社。2015年、同社のエネルギー事業部の立ち上げに従事。2022年、同社代表取締役に就任。
笠井:「シーエープラント」という社名から、大規模工場や生産設備の建設・運営管理をされているのかな、と想像しますが、具体的にはどんなお仕事をされているのでしょうか?
伊地知:特に焼却プラントや水処理プラントに携わることが多いですが、もともとは建設後の機械の調整、いわゆる試運転業務を主にやっていた会社です。そこから発展して、試運転後の維持管理や修繕工事にも手を広げ、現在に至ります。
笠井:そうですか。この番組に登場される経営者の皆さんは、ユニークなご経験をお持ちの方が多いのですが、伊地知社長もそうですね。子どものころ、めちゃくちゃ勉強させられたそうですね。
伊地知:そうですね。小学4年生から中学2年生ぐらいまでが多分一番勉強していました。ある日家に帰ったら、ファミコンなどそういったものが全部撤去されていました。
笠井:突然ですか?
伊地知:そうです。そしてある日突然、親から「今日からあなたは進学塾に通いなさい。テレビも一切見るな」と。テレビも撤去されていましたから。
笠井:テレビも撤去ですか!
伊地知:その後、入塾テストを受けに行かされて、中学2年生まではゲームもテレビも漫画も一切見ない、ただただ家に帰って寝るまで勉強、という日々が続きました。
笠井:猛烈に勉強されて大学にも入られたようですが、その反動は出ませんでしたか?
伊地知:出ましたね。私も中学2年生のある時期以降は、結果的に熱心に勉強することはやめたわけです。というのも、反抗期が来たからです。高校生になると自分でバイトもできるようになるので、バイト代でゲームを買ったり、普通にテレビを見たりするようになりました。生活のバランスが娯楽の方に傾いてしまい、勉強はどちらかと言うと後回しになったところはありますね。

笠井:大学は卒業できましたか?
伊地知:中退しました。当時、ゲームセンターに通い詰めでしたから、そっちの方が熱心にやっていました。
笠井:教育熱心だった親御さんは、ちょっと失望されたのではないですか?
伊地知:そうですね。最初はそうでしたが、だんだんと「もう好きにやりなさいよ」という感じで、半ば諦めに近い形になっていきました。
笠井:それが今やプラント会社の社長さんですから、親御さんも大変喜んでいらっしゃると思います。シーエープラントさんには30代半ばぐらいで入られたと思うのですが、それまではどんなお仕事をされていたのですか?
伊地知:主に営業職でした。営業職はノルマが厳しく、長くは続けられないのではないかという不安がずっと付きまとっていたのです。であれば、私はもともとプログラミングを趣味でやっていましたから、自分の興味のあるものをなんとか仕事にできないかと考え、その方向性で就職を模索しました。
笠井:つまり、営業職での将来性よりも、プログラミングという確実なスキルで生きていくことを見据えられたわけですね。プログラミングの勉強は、専門学校などに行かれたんですか?
伊地知:全部独学です。本は何冊も買いました。
笠井:それって、子ども時代に猛烈に勉強した経験が活きていませんか?
伊地知:間違いなく活きています。当時の勉強は、人に聞かず、わからなかったらわかるまで自分で調べる、というスタイルでしたから、それと同じことをプログラミングでもやっていたみたいです。
笠井:そこは親御さんに感謝ですね。
伊地知:今となってはですね。
笠井:さて、シーエープラントさんに入るきっかけは何だったのでしょうか?
伊地知:当時シーエープラントが、制御回路設計の採用広告を出していたのです。ちょうどいいなと思いました。
笠井:制御回路設計の勉強をされていたわけですからね。
伊地知:そうです。しかも私が住んでいるところから立地も良いので、採用試験を受けに行きました。
笠井:シーエープラントさんに入って「社長になってやる!」みたいな意気込みはあったのですか?
伊地知:全然なかったです。

笠井:そうですか。そんななか、ターニングポイントはいつやってきたのでしょうか?
伊地知:会社としてアメリカの発電機の輸入販売をやり始めるということになり、その事業に手を挙げて参加しました。
笠井:輸入販売ということは、外国語に精通していないと難しいと思うのですが、そのあたりはいかがでしたか?
伊地知:アメリカで技術研修を受ける必要があり、もちろん英語でのやりとりです。先ほど申し上げたように、私は中学ぐらいまでしか一生懸命勉強していないので、学生英語しかわからず、最初はとても苦労しました。
笠井:そのなかから結果を出したからこそ、今の会社で認められてきたのだと思いますが、現在社長業務をされていて、特に注力している事業は何ですか?
伊地知:約2年前から野菜の加工品の製造・販売事業を始めました。
笠井:まったくの異業種という感じもするのですが、地続きになっている部分があるのですか?
伊地知:発電機の販売に関連して、バイオガスで稼働する発電機を取り扱い始めました。バイオガスプラントは、ごみや糞尿でガスを発生させて、残った液体や固体を肥料として農地に撒くものです。野菜加工に携わっていくうちに、農地で起きている状況に注目するようになり、そこから発展していきました。
笠井:野菜の加工品は商品化されているのですか?
伊地知:はい。当初はレトルトスープから販売を開始し、今年は野菜で作ったジャムを販売開始しました。
笠井:どういうブランド名ですか?
伊地知:「洛結(らくゆう)」というブランドで、いわゆる「上洛」の「洛」ですね。トマトやサツマイモのジャムを販売しています。
笠井:おいしそうですね!販売方法はネットがメインですか?
伊地知:そうです。販売に協力してくださる店舗さんに置くという場合もありますし、ECサイトでも販売しています。
笠井:お客様の反応はいかがですか?
伊地知:特にジャムの反応がいいです。「トマトでここまで甘みが出るのか」など、味に対するポジティブな反応を多くいただいています。
笠井:最後に、これからの会社の目標やビジョンがあれば教えてください。
伊地知:現在取り組んでいる新しい事業、バイオガスや食品の取り組みに関しては、今後も継続して大きく発展させていきたいと思っています。また、既存の業務についても力を抜くことなく取り組んでいきたいと考えています。
