5月27日配信回
2024.05.27

5月27日(月)配信 株式会社グランドバリュー 代表取締役 古橋慶樹

略歴

1986年6月28日生まれ。駒澤大学を卒業するまで野球に専念。大学時には主将を経験した後に大手
グループ会社に約4年勤務した後に人材業界に転職。2018年に独立し、現在はホールディングとして派遣、内装、買取屋、運送の法人を立ち上げている。

笠井:グランドバリューはどんな会社なんですか?

古橋:外国人の人材派遣をメインにやっている会社になります。

笠井:どういうきっかけで始めたのでしょうか?

古橋:きっかけは1人のモンゴル人と1人のウズベキスタン人だったんです。彼らは別会社で作業員として働いてる時に出会ったんですが、彼らのバックボーンを聞いたりしてるうちに、一緒に仕事したいなっていう思いが芽生えまして。そこから外国人派遣に特化していきました。彼らのネットワークっていうのはものすごくて。たった2人の出会いからスタートして、今何千人もの人材を抱えるところまで広がってるんで、チャンスはすごくあるなって感じてます。

笠井:当初からあまり広告を打ってなかったと聞いたんですが。

古橋:正直お金がなかったってのもあるんですけど、結局信用性があるのは、口コミで広げていくこと。これが一番ありのままかなと思いまして。

笠井:どうやって口コミを広げたんですか?

古橋:友達紹介してもらったりとか、家族紹介してもらったりとか。これを繰り返してます。

笠井:それってすごい、アナログは効率良くない感じがするのに。なぜそんなに広がるんですか?

古橋:派遣でよく問題になるのが、来ない、遅刻が多いとか、俗に言う「飛んだ」とかなんですけど、誰かの知り合い、身内だったりすると、圧倒的にそれが少ないです。元々仕事を紹介する時からミスマッチが起きにくいようにしていて、紹介元の友人から実際こうだよっていうのも伝えた上で来てくれるんで、信頼に繋がったのかなと思います。

笠井:友達同士で口コミが広がるもんなんですか、外国人だから?

古橋:まず母国にいる人にこういう仕事あるよって伝えてもらうというところからスタートしてるので、広がりやすかったっていう背景はあると思います。

笠井:グランドバリューに頼めば仕事がもらえるよ、と。確かに日本でどうしていいかわからないって外国人は多そうですよね。実際仕事先ってあるものなんですか?

古橋:正直、困ってる人もたくさんいます。日本に来たばっかりの子は話せない子がほとんどなので、ネットワークがないと仕事もできないし、生活もままならないっていう人が多いんですよ。そこを含めて抱えさせていただくというか。

笠井:外国人ならではの派遣業の壁っていくつもあるんじゃないですか?

古橋:あると思います、感じてます。例えば宗教上の問題ですとか、外国人というだけで偏見を持たれたりとか。まだ根強くあると思います。

笠井:その偏見を取り除いていくためにどんな努力をされているんですか?

古橋:商談のタイミングから同席してもらって、実際に見てもらって、感じてもらってます。外国人に対する思い込みみたいなのが強いと思うんですけど、それを少しずつ外していっていただく。あとはこれまでの実績で企業さんから紹介していただくケースも多いです。ほんとに地道に。

笠井:仕事へのこだわりについて、3つのキーワードでお話を伺っております。第1のキーワードはモチベーション。古橋さんの仕事のモチベーション、その源はどこにあるんでしょうか?

古橋:モチベーションは正直自分でも高いと思ってます。関わる方みんな悩みを持ってるんですが、その悩みを解決したり、少し豊かになったり、家族を呼べたり、といったことがものすごくモチベーションになります。

笠井:個々の色々なケースを、社長さんが見てらっしゃると?

古橋:可能な限りは。全員と一対一で話すことは現実的には難しいんですけど、現場に行って会話したり、リーダーの子に色々教えてもらったり、色々接点は増やすようにしています。

笠井:単に人を集めているだけじゃなくて、その人たちのキャラクター、生活や人生を自分で掴みながら仕事されてるわけですね。続いて、第2のキーワードは信念。言葉にするとどんなものになりますか?

古橋:「義」を大事に。ちょっと古くさいんですけど、感謝や人への想い、恩とか。私自身人に助けられてここまで来たっていう経験がありますんで、それは一生かけて返していきたいし、人に尽くしていきたいなっていうところもありまして、義を大事にしてます。

笠井:人材派遣という業種は、もう少しビジネスライクかと思ってました。でも、もっと人生にコミットしてるんですね。

古橋:そうですね、それを大事にしてます。

笠井:会社を作って独立すれば、今よりも成長したい、大きくしたいと思われると思いますが、成長のために何をされましたか?

古橋:ありがとうの数を圧倒的に増やす、というのを会社でキーワードにしてまして。ただのマッチングであればAIで十分なんですよね、アプリでできちゃいます。だから、一番泥臭くて、人間臭いところ、そっちの方が大事だと思ってるんで。気持ち的な部分を大事にしたいんです。一番大事にしたいのは、感謝とか儀なんで。

笠井:最後のキーワードは未来へのビジョンです。古橋さんの今後、やりたいことがたくさんありそうですね。

古橋:業界で言ったら、保育園とか介護とか、介護観光とか不動産とか、色々やりたいんです。これらは一見異業種だと感じると思いますが、例えば海外から日本に来る時に、家を用意してあげたいんですよ。彼らは家族を連れてくるケースもあれば、置いてくるケースもあるんですけど、色々不安があって子供や親を連れてこれないっていうケースが多いんですね。それを社内で完結することができたらと。

笠井:親を呼ぶなら介護の会社、子供連れてくるなら保育園が必要。受け入れた外国人の皆さんの暮らしを会社で支える。そこまで考えられてるんですか。一つ一つ夢を実現して、外国と日本との絆を繋ぎ、壁みたいなものも崩せるのは、こういうお仕事してる方なんですね。

古橋:そうしたいって思っています。