9月16日配信回
2024.09.16

9月16日(月)配信 株式会社聖工務店 代表取締役社長 長谷川聖仁

略歴

1987年生まれ、愛知県出身。高校卒業後3年間の修行の後、2008年株式会社聖工務店を設立、2013年に法人化し、代表取締役に就任。グループ会社に株式会社聖不動産を持つ。顧客の期待や社会の要請を先取りし、地域に貢献しながら『誠実によりよいモノをご提供する』をかかげている。

笠井:工務店ということは、建設関係の会社ですかね。どんなお仕事になりますか?

長谷川:どうしたらいいかというお客様がいたら、全てに答える会社です。家も建てますし、道路も、様々。

笠井:家を建てたいと思ったら最初から最後までお世話できるような体制を作られていると。37歳の若さにして不動産業と建築業を総合的にやっているようですけれども、聖工務店を立ち上げたのは何歳の時ですか?

長谷川:21歳です。

笠井:若いですね、21歳って普通大学生の歳ですよ。ご実家が工務店だったんですか?

長谷川:いえ、とんでもないです。

笠井:立ち上げたきっかけはなんですか?

長谷川:片親だったので、まず選択肢がない状態で。働くしかないじゃないですか。高校卒業してから土木業で働き出しました。

笠井:それは何年ぐらいやったんですか。

長谷川:3年です。

笠井:そこから会社を作る、独立するってちょっと早すぎるんですが。何か大きなきっかけがあったのではありませんか?

長谷川:どうしてもお金というのがついて回る生活、学生時代だったので、お金にすごい執着があって。

笠井:シングルマザーで育てられて、結構苦しい生活をされていたのですか?

長谷川:兄弟が4人いて、全員男で。

笠井:お金に執着してると言っても、会社を立ち上げるって大変なことなんですけども。

長谷川:お金がないお金がないって言われてて、なんだかお袋がバカにされてる感じがして。小学校の時ってストレートに言われるじゃないですか、それが多分悔しかったんですよね。

笠井:それで自分で稼いで、しっかりとやっていこうと。21歳で会社立ち上げて、従業員は何人でしたか?

長谷川:1人です。最初は個人事業主から始まって、色々やりました。もう選択肢がないので、いろんなところを回って、雑用でもいいので働かせてください、何か手伝わせてくださいっていう話をして。一番最初は草むしりから始めました。5000円で朝から晩まで草をむしって。その後は足軽だとか、外装屋さんだとか、大工さんとか、本当にいろんなことを。

笠井:今は従業員は何人ぐらいいらっしゃるのですか?

長谷川:今は17人です。26歳の時に法人にしてるんですよ。法人化して1人2人は入ってきたんですけど。その時を第1期とすると、今はそのどん底を乗り越えた第2期の会社になってる。第1期の時は人がどうやって集まったか、あんまり覚えてはないんですけど、ずっと苦しい感じです。

笠井:どん底ってキーワードがありましたけど、それどういうことですか?

長谷川:代表のだの字も知らなければ、ほんとに無知な状態で。28歳ぐらいの時、結構従業員がいたんですよ。ただ、利益の出し方がわからないとか、本当に根本がわかってないんで、人が集まって、よいしょされて、粋がってたっていうか。気づいたら借金がいっぱいたまってて、従業員のお金を払ったりとか、変な話、仕事で失敗したケツを拭かなきゃいけないじゃないですか。責任施工なんで。そのためにお金を借りたのが膨れ上がって。だんだんバレてくじゃないですか、やばいんじゃないかって。1人ずついなくなってくんですよ、面白いことに。で、気づいたら1人になっていました。

笠井:みんな辞めてきますよね、収支の良くない会社だと。どうやってそこから立ち上がってきたんですか?

長谷川:自分が変わらないと変わらないんじゃないかなって思って。その当時、自分の人となりとか立ち振る舞いとかあり様が世の中に認められてない、求められてない、あんたの会社いらないからさっさと潰れなさいよって言われてると思ってたんです。そもそもそこの根本を変えないと社会に求められないじゃないですか。多分、そういう自分の感覚を変えようと思った時に、今取締役やってくれてる人たちと出会ったんですよ。自分が変わって、志高く持って根本変えようと思った時に、そういうのが寄ってきたっていうか。

笠井:自らを変えることによって状況が変わってきたわけですね。会社がだんだん順調になってきて、今社長さんとして従業員の皆さんと接する上で心がけていることはなんですか?

長谷川:自分が経験させてもらったことをさせたくないっていうか、うちの親父が働かなかったからこうなったのかな、とか。わからないんですけど。働いてお金を稼いで、家族を守るじゃないですか。だったら、仕事をしながら、なおかつ楽しくお金を稼げるような会社にしたい。従業員たちの家族を堂々と守って、パパありがとねって家族に言われるようなパパでいてもらって。そのパパがどこで働いてるのって聞かれた時に、恥ずかしくない会社にしたいと思っています。

笠井:仕事をしていて嬉しい瞬間ってのはどんな時ですか?

長谷川:子供が生まれますとか、家建てますとか、車買いましたとか。あとは従業員の家族からご飯食べに来てもらえませんかとか。誘ってもらえた時は、認めてもらえてるのかなって思って。

笠井:本当に従業員の皆さんを大事にされてるんですね。

長谷川:生き生きと楽しく仕事をしてると、顔に出るんですよ。それが自信に繋がって、発する言葉も多分変わってくると思うんですよ。お客様にもそういう伝え方ができたりするんで、ここの会社ってしっかりしてるねっていう風に見てもらえると思うんです。お客様から評価いただいて、それが宣伝になって、ここの会社だったら安心していい、という風になるんじゃないかなと自分の中で思っているので。まず会社の人間が幸せじゃないと、他のお客様を幸せにできるなんて考えてないんで。

笠井:ホームページを見ましたら、従業員の皆さんを恋人みたいにしていると。どういう感じですか?

長谷川:立場上、言いたいこと言えないじゃないですか。こっちから手差し伸べてあげないと、やっぱり苦しんでたら可哀そうって、言い方もあれですけど、そういうところに代表の仕事ってあるんじゃないかな。

笠井:元々の会社は愛知で、東京に進出するのは結構チャレンジだと思うんですけども、これからどんなところに事業を拡大していきたいと思ってらっしゃいますか?

長谷川:自分の性分的に井の中の蛙で終わるのが嫌で。良いか悪いかはわからないんですけど、飽き性なんですよ。常になんかドキドキワクワクしていたい自分がいるので、目標高めに、ニューヨークで色々やってみたいなと思います。

笠井:最後になりますけれども、未来へのビジョン、どんなことがありますか?

長谷川:まずはニューヨークを目指して、現実を見て。工務店も不動産屋ももっと大きい仕事ができるように、全部の仕事でいろんな人を幸せにしたいです。