7月22日配信回
2025.07.22

7月22日(火)配信 弁理士法人武和国際特許事務所 代表弁理士 垣内 順一郎

略歴

1969年生まれ。鹿児島大学工学部機械工学科卒業。卒業後、株式会社日本製鋼所にて産業機械の設計開発に従事。その後、株式会社オリンピアにてアミューズメントの特許出願業務に従事し、2009年、弁理士法人武和国際特許事務所へ入所。2019年、同事務所の代表に就任。日本弁理士会に所属している他、国際弁理士連盟(FICPI)、アジア弁理士協会(APAA)のメンバー。

笠井:国際特許事務所、具体的にはどんなお仕事になりますか?

垣内:まず発明をされた企業様の発明内容を聞き、それを申請書類として整える必要があるので、そのための書類作成が主な作業になります。普通の文章と少し違うと言いますか、特許という権利の範囲を守る日本語になりますので、特殊な文章が必要になります。

笠井:最近はこの権利ビジネスがとても重要になってきていますよね。

垣内:どの会社もどんな知財に力を入れているのかを発表していかないといけない時代です。

笠井:経歴を拝見しますと、鹿児島大学工学部機械工学科を卒業され、株式会社日本製鋼所で産業機械の設計開発に従事。機械の技術担当で、弁理士とは関係なさそうですが、その後、株式会社オリンピアでアミューズメントの特許出願業務に従事されます。転職されたのでしょうか?

垣内:開発者から特許の仕事に転職しました。

笠井: 2009年に今の事務所へ入所され、10年後、国際特許事務所の代表に就任されたということですが、どんなきっかけで弁理士を目指されたのでしょうか?

垣内:元々は発明者として弁理士さんに自分の発明を説明する側でした。10年ほど開発の仕事をして、弁理士に本格的にチャレンジしようと思い、転職しました。

笠井:開発する方から受ける方に回ったと。そっちの方が面白いと思ったのでしょうか?

垣内:正直に言うと、報酬と給料が上がるので、生活が安定するかなと。やましいですが。

笠井:転職というのはそういうものですよ。今よりも生活を豊かにしたいとか、心持ちを豊かにしたいとか。思い切って転職といっても、弁理士になるには国家試験が必要で、合格率は6%ほど。そんな簡単ではありません。どうされたのですか?

垣内:努力してなんとか勉強しました。もちろん仕事をしながら、夜は帰ったらお酒も飲まずにずっと勉強して。資格を取る前に退職して、実務を積みながら、夜は試験勉強をしていました。

笠井:仕事へのこだわりはなんですか?

垣内:大事な発明を権利化することは、あくまで代理業務ですので、いかに発明者の思いのこもった書類に仕上げていくか、その権利を広く守っていくかを注意してやっています。

笠井:事務所の規模はどのくらいでしょうか?

垣内:我々20人ほどの事務所は中堅規模になります。特許事務所は1〜2人の事務所が多く、稀に100〜500人を超える事務所もあります。

笠井:どんなところを強みにしてらっしゃいますか?

垣内:大手の事務所は大先生と言われる方もいらっしゃいますし、大手の企業からたくさん仕事があると、中小企業からの依頼にはフットワークは重くなったりするので、そういうところへ入り込んで、質の高い仕事をやっていくことを我々の強みとしています。

笠井:特許申請は時間がかかると皆さんおっしゃいますが、スピード感を持って対応されていると。

垣内:急ぎで出したいけど大手の事務所ではできず、我々ならすぐ対応できる。短納期で高品質のものを提供して、お客様にも信頼されています。

笠井:垣内さんは事務所に入られて10年で代表になっていますが、どういった状況で代表になられたのでしょうか?
垣内:私の一つ上の代表は、私よりも20歳年上でした。ベテランの方が大半を占めている事務所に入ったため、必然的に代替わりを一気にしたという流れでした。その時はコロナ前で仕事の依頼案件も少なくなってきて、少し調子が良くなかったタイミングでもあったので、思い切って代替わりをすると。

笠井:業績は過去と比べてどうだったのですか?

垣内:最悪といえるほど業績は下がっていましたね。でも、他に代表をやる人もいないし、歴史がある事務所だと思っていましたので。

笠井:そこで代表になるってことは、なんとかしなければと思いますよね。

垣内:もう闇雲に、どうやったらクライアントを獲得できるか必死で、自ら営業に回りました。

笠井:特許申請の営業は普通の営業と違うと思いますが、どうやって営業するのですか?

垣内:まず特許を出しそうな会社を選定します。どういう会社が特許を出しているかは全部特許庁で、無料で見ることが出来ます。我々ができそうな技術分野で調べて、話を聞いてくれないかというのを地道にやりまして。

笠井:随分断られたのではありませんか?

垣内:ほぼそうですけど、それでもうちと取引をしたら絶対いいだろうと、勝手に自信を持って売り込みに行き、そこでいい出会いもあり、継続して依頼をいただいています。

笠井:業績は過去最悪からどうなりました?

垣内:回復とまではいきませんが、プラスに転じました。

笠井:仕事をして楽しい瞬間はどんなところですか。

垣内:みんなで一生懸命頑張って新たなクライアントを獲得できた瞬間は非常に嬉しいです。また、お客様が少し諦めている部分でも、

我々の力で権利が広く取れた時ですね。

笠井:特許が取れる、取れないという結論があるので、非常に明確なお仕事ですよね。成功か失敗か。スリリングですが、ストレスが溜まるお仕事ではないですか?

垣内:責任の重さを感じる分、達成したときの喜びも大きいです。

今年で創業50周年を迎えましたので、これまで積み重ねてきた信頼を礎に、時代の変化に挑みながら、発明者の思いを守り続けて行きたいですね。