3月3日(月)配信 株式会社Koa-RealEstate 代表取締役 川元啓司

国立岐阜大学 工学部土木工学科卒業。20代で大手賃貸仲介店にて店長を務め、その後不動産証券化企業にて用地仕入れ、オフィスと店舗の仲介など現場経験を積んだ後、一棟収益売買専門会社にて経験を発揮。その後、大手損害保険会社に在籍し、損害保険および生命保険販売を通し企業財務及び個人FPのコンサル業務に従事。2023年度に独立し現在に至る。
笠井:お仕事内容はどういったものになりますか?
川元:不動産の賃貸の管理と、売買・仲介をさせていただいております。
笠井:プロフィールを拝見しますと、結構複雑でして、大学卒業後、20代で大手賃貸仲介店の店長を務めた後、不動産証券化企業に転職、その後一棟収益売買専門会社に入社、これはどういう会社ですか?
川元:アパートとかマンションを一棟丸ごと買い取って、リノベーションして再販する会社ですね。
笠井:ところが、勤務先が倒産して、今度は大手損害保険会社に転職、ファイナンシャルプランナーとしてのコンサル業もやられて、そこから独立して株式会社Koa-RealEstateと、これだけ転職されたのには何か理由があるんでしょうか?
川元:不動産を深く知ろうとすればするほど、多岐に渡る知識と経験が必要になってくると痛感しました。金融情勢や銀行情勢、税金、保険など、すごく広がっていくんですよ。
それを一つ一つ経験していこうと思って、転職活動をしていました。
笠井:つまり、不動産業務の専門知識とスキルを上げるために、ある意味計画的に転職していったとも言える。
川元:そうですね。
笠井:不動産をやりたいと思ったのはどうしてなんですか?
川元:大学の時に友達と君のアパートはあそこ、僕のアパートはあそこって話していたら、住んでいる家の家賃がわかりますよね。家賃から計算をしたら、「君のアパートの大家さん毎月100万円の収益なの?」と驚きました。そこで、不動産ってすごいなと思って、私も大家さんになりたいと思いました。それまでは建築家をめざしていたんですけど、シフトチェンジして、卒業したら不動産屋になろうと決めました。

笠井:大学は土木工学科ですもんね。建設業に行くのかなと思ったら、大家さんになりたいと思って、だとしたら不動産だろうということなわけですね。不動産業界で働いていて、独立しようと思ったのはどうしてですか?
川元:例えば、マンションを新しく入居所を決めるためにリノベーションしましょう。現状回復の時に、このぐらいの工事費がかかりますってなった時に、私は土木や建築のことを知っているので、そこまでお金をかけなくても大丈夫というのは分かっちゃうんですよね。
笠井:意外と高止まりした予算というか、建築費を向こうに伝えたりすることがある。
川元:あります。私も右に倣えで邁進したこともありますが、自分たちの仕事を楽にしていくために偏った形の提案に違和感を感じていました。
笠井:思い切った聞き方をすると、不動産業界の負の部分を知っていったってことですか?
川元:そうです。
笠井:それはどういう部分ですか?
川元:
例えばの話、100万円の工事がかかりますってなった時に、正直20万円で直ります。結果だけを伝えると詐欺じゃないかってなりますよね。ただ、それには理由があって、管理をしている以上、クレームの再発は防ぎたいですよね。目先のことだけ直して、何度も何度もクレーム対応すると、管理会社が切迫してきちゃうので、今後のクレームがないように、バッチリと直すためには、機器を刷新して100万円かけましょうっていう提案をします。しかし、追加の修繕費等はオーナーさんの責任となるため、オーナーさん負担となってしまいます。
笠井:銀行・不動産会社・オーナーさんがいて、一番儲かっているのはどこなんですか?
川元:銀行です。儲かる順番でいくと最初は銀行、その次は不動産会社、そこの2社が儲かるために赤字を打つのがオーナーになっています。
笠井:え、そうなんですか?そういう仕組みがあって、川元さんは独立してそれをどうしようと思ったんですか?
川元:そこを根底から変えていこうと思います。まず私が不動産会社として、自分たちが効率よくするために高額で利益を上げるということを、真っ当な金額に戻すことに取り組んでいます。

笠井 :そうなると、Koa-RealEstateの仕事のこだわりはどういうところになりますか?
川元 :私の仕事のこだわりは、3社がちゃんと全員儲かる形の利益を取る形のビジネスモデルを作ることです。
笠井 :ちょっと難しいことにチャレンジされているんじゃないかなと思いますが、ホームページを見たら、通常の半額程度のコストで高品質なサービスを提供すると書いてありますね。マンションオーナーとしては魅力的ですが、具体的にはどうすればそうなるんですか?
川元 :コストが高額になっていくのは、不具合が起きた時の修繕と入退去の現状回復の費用です。大体の管理会社さんは専門会社に丸投げしています。専門会社さんも利益を取らないといけないですし、どんどん金額は高騰化していきます。すると、変えなくてもいい部材まで全部新品にしましょうということが多いです。
笠井:ということは、管理会社に丸投げしないということですね。
川元:そうですね。専門会社に丸投げせず、私たちが一度必ず調査します。
笠井:仕事は増えるけれども、コストは下げることができると。あと、必要な業者や職人を直接手配して、コストを抑えるということも書いてありましたが、直接手配っていうのは普通あんまりやらないんですか?
川元:普段はやらないです。もう専門会社に丸投げをして、専門会社さんがおかかえの職人さんを手配をして、ニ次受け、三次受けとなっていきます。
我々は部品も自分たちで仕入れて、直接職人さんを手配して、一次受けだけで終わらせます。
笠井:今のKoa-RealEstateの根幹なわけですね。そして、今年から、何か新たな事業も始められるそうですね。
川元:はい。これまでは一つ大きい修繕が起きちゃうと、その修繕に対する予算を確立するために、家賃をまずオーナーさんが貯めないといけない期間が発生し、その間壊れてる部屋は貸し出せないという負のスパイラルに入っていました。
それを防ぐために、賃貸管理会社とオーナーさんで折半している入居者さんの更新料を、お互いに積み立てあいます。これによって、例えば100万の大きい工事が出た時に、Aさんというオーナーさんがそこまでのお金は貯まってないけれど、私たちが積み立てたものについてはちゃんと貯まっていれば、先に工事をすることができます。これまで空室にずっとならざるを得なかったお部屋を早く決めることによって、そこでまた収益が生まれます。
それでちゃんと返済していただくっていう新しいスキームを、今年から始めたところですね。
笠井:更新料を計画的に積み立てていくってことですね。
川元:そうです。更新料っていう名目でもちろんオーナーさんの収入にはなるんですけれども、それを修繕積み立て金みたいな意味合いの実用できるお金に変えていくっていう形のやり方をとっています。
笠井:そうですか。どんな将来的なビジョンをお持ちですか?
川元:まずは、銀行と不動産会社だけではなくて、オーナーさんもちゃんと利益を出せるスキームっていうのを確立をして維持し続けたいと思います。その上で、今度はもっと困っている人たちもいらっしゃるので、その方々に対して同じサービスが提供できるように、このスキームが維持できる規模を維持しながら、会社っていうのをちゃんと拡大させていきたいです。
