4月21日配信回
2025.04.21

4月21日(月)配信 株式会社Koa-RealEstate 代表取締役 川元啓司

略歴

国立岐阜大学 工学部土木工学科卒業。20代で大手賃貸仲介店にて店長を務め、その後不動産証券化企業にて用地仕入れ、オフィスと店舗の仲介など現場経験を積んだ後、一棟収益売買専門会社にて経験を発揮。その後、大手損害保険会社に在籍し、損害保険および生命保険販売を通し企業財務及び個人FPのコンサル業務に従事。2023年度に独立し現在に至る。

笠井:先月3月3日の放送以来の2度目の登場ということですが、また出てくださるのは何か理由がありますか?

川本:前回は弊社の管理業務について掘り下げてお話をさせていただきましたが、合わせて私は売買も事業として行っておりますので、そちらの話をする機会をいただきたいなと思ってたときに、再度お声がけいただけたので、「ぜひ!」ということで参りました。

笠井:川本さんの経歴を簡単にご紹介します。20代で大手の賃貸仲介店の店長を経験され、ディベロッパーで用地の仕入れも担当、さらに不動産仲介企業の役員として、オフィスや店舗の仲介も経験されています。

また、資産形成コンサルティング、保険会社、金融など、さまざまなキャリアを積んでいらっしゃいます。なかでもちょっと驚いたのが、「業界の慣習に流されずにマンションのオーナーや大家さんが、しっかり儲かる仕組みづくりをしたいんだ」とおっしゃっていたことです。

川本:ありがとうございます。

笠井:基本的に業界の慣習で儲かるのはどこなのでしょうか?

川本:儲かるのは基本的に銀行さんと不動産会社さんです。

笠井:オーナーさんになかなか儲けがいかない仕組みがある中、この慣習を打破したいと、会社を立ち上げられました。新年度を迎えましたが、会社として新たにどんなことに取り組んでいらっしゃいますか?

川本:会社として新たに取り組んでいるのは、前回もお話しした更新料の積み立て制度です。それ以外には、事業のジャンルを縦に大きく掘り下げるのではなく、横に種類を増やすという形で広げていこうとしています。

笠井:基本的に、マンションやアパートのオーナーになれば、働いていなくても家賃収入が入りますが、その部分をどううまくやっていくかということを考えていらっしゃいますよね。

川本:そうです。我々の方で必要最低限の工事だけをするとか、本当に必要なところのみ職人さんを手配するとか、一つ一つコストカットをすることで、オーナーさんの収益が着実に残るように変化しています。

笠井:第2の人生は「大家さんになって安定的な収入を得られるようにする」と、本当に理想的な老後になるわけですが、お客さんも老後のことを考える方が増えていますか?

川本:相当増えてます。その中でもやはり50代の方々が多いですね。ただ、古い物件だと、修理・修繕が発生するので、不動産投資を辞めようかなと考えている方もいらっしゃいます。そこで私は、安心した老後を過ごしていただくためのスキームを作ろうと動いています。

笠井:そして、前回は中古物件を扱っているとおっしゃていましたが、新たに新築物件も扱っているみたいですね。

川本:そうなんです。どうしても物件自体も歳をとっていきます。そのため古い物件だと、大きな修繕が発生して、修理に200万円、300万円かかることもあります。ただ、サラリーマンの方が不動産投資に対して銀行の融資を受けられるのは、55歳が最後なんです。

笠井:そうなんですね。

川本:そうすると、古くなった物件を売却をして資産を入れ替えたいと思っても、売却をした後に新しく物件を手に入れることが55歳以降の方は難しくなるのです。それを防ぐために、できれば55歳、60歳ぐらいで、新築の物件を手にしておくと、そこから20年間ぐらいは大きな修繕や問題はあまり発生しません。

笠井:なるほど。修繕がなければ、70歳ぐらいまで安定した収入になりますよね。

退職金をこれだけもらえるから不動産投資を始めようという方もいらっしゃると思いますが、資産形成から相談に乗っていただけるのでしょうか?

川本:そうですね。資産形成が一番大事です。年齢に見合わない物件を買ってしまうと、せっかく退職金で2000万とか3000万とか手に入るものが、物件を処理するときに全部失うことになってしまうんです。

笠井:50代の方が、賃貸経営を成功させるポイントはどんなところにあるのでしょうか?

川本:多くの不動産会社さんは、「今借りられる与信枠マックスまで借りましょう」と提案してきますが、それをしてはダメなんです。

笠井:それは、なぜでしょうか?

川本:物件を所有する中で、経年劣化の修繕は、ある程度予測できます。ただ、災害は予測が不可能です。火災保険もありますが、火災保険で担保できるのは半分までです。それを全額にすることもできますが、ものすごく保険料が高くなるんです。

例えば、災害が起きて建物が全壊した時に、公費解体を待つと、1年、2年、下手したら5年待ちます。新しいライフワークのために、物件を処理して、資産を整えようとすると、どうしても手持ちの資金が必要になってきます。与信枠が残っていれば、土地を担保にもう一度お金を借りることができるんです。

笠井:全額ギリギリまで借りると、何かあったときにお金を借りられないということですね。

川本:そうです。売却をする時も、物件の修繕や流通価格を整えるために、資金の投入が必要になってきます。それを与信枠いっぱいまで借りていると、資金がないために、物件を買い叩かれる場合があります。そのため、必ず与信枠マックスではなく、余裕を持って借りることが、非常に大事になってきます。

笠井:定年が近くなってくると、「第2の人生、どうしようかな」と考えたりしますが、55歳がいろいろお金を借りられる一つの年齢制限だとすると、50代前半から半ばあたりで先のことを考えて動いた方が良さそうですね。

お客様の10年後を見据えた取引をされているというお話がありましたが、何か印象に残るような、エピソードはありますか?

川本:一人ご紹介させていただくと、そのお客様は高年収でしたが、ものすごく仕事が忙しい方でした。物件を購入していただいて7年経った時に、「川本さんから物件を買ったおかげで、仕事を早期退職し、自分の時間を大切にできる生き方を選ぶことができた」と言われたときは、私も本当に感無量でした。

笠井:若いときはいいかもしれないですが、私も60歳を超えて「少し余裕を持って暮らしたいな」と思うようになりました。

川本:そうですよね。

笠井:それでは最後に、業界をより良くするために、今後どんなことが必要か教えていただけますでしょうか?

川本:今後は、横にジャンルを広げて事業を行っていきます。そうすれば、会社の事情で売り付ける、いらない工事をすることを減らしていけると考えています。実現させるために、弊社ではできることを横に広げていく変化が必要だと思っています。

笠井:より大家さんのためにということですね!

川本:そうですね。

笠井:今日もハッとさせられるお話をありがとうございました。より良い第2の人生を皆さんに与えてあげてください。

川本:かしこまりました。