7月18日配信回
2024.07.18

7月18日(木)配信 GINZA AYUMi CLINIC 理事長 増田あゆみ

略歴

山梨大学医学部を卒業後、東京の新渡戸記念中野総合病院で急性期医療を中心に、麻酔科、内科、外科、救急救命と幅広く学んだ後、山梨大学医学部付属病院の産婦人科に勤務。お産から婦人科腫瘍などの開腹手術まで数多く経験。女性の内分泌や不妊治療、再生医療の研究なども積極的に学び、山梨県富士吉田病院にて多くの手術症例を経験後、美容外科の道へ。老舗大手クリニックの理事長、院長、外科部長を歴任し、2019年7月にGINZA AYUMI CLINICを開院。

笠井:GINZA AYUMi CLINIC、どういったクリニックなんですか?

増田:主に女性の笑顔をつくるクリニック、婦人科、女性器形成専門のクリニックです。私が元々産婦人科出身ということもありまして、女性のアンチエイジングや更年期障害に対する最先端の治療、女性器に再生医療技術を用いるといったような施術も行っています。今のところ、女性器に対して再生医療技術を使っている日本唯一の厚生労働省認可クリニックとなっています。

笠井:女性器のアンチエイジングは初めて聞いたんですが。どういったものなんですか?

増田:全ての女性において老化というのは避けて通れない道です。顔が老化するのと同じように、女性器周りも老化していくんですね。夜の営みで痛みが出るとか、不正出血とか、最終的には女性器自体が萎縮してしまうとか、そういった症状に対して、最先端の再生医療を使ってアンチエイジング効果を出していく、症状を改善していってるという状況です。

笠井:経歴を拝見すると、東京の病院で麻酔科、内科、外科、救命医療を経験されたのち、山梨の病院で産婦人科に勤務され、そこから美容外科に進んで、大手クリニックの理事長や院長、外科部長も歴任されていると。医療の世界から美容の世界に転身されたのはどうしてですか?

増田:日本の医療、特に産婦人科は優秀な先生が多く、その中でいろんな指導を受けてきました。大学病院では最先端の治療も行われてます。ただ、女性器の病気は見つかるのが遅くて、病院に来た時には手遅れという場合も多いんですね。特に子宮頸がんはとても多い病気でして。私が担当した女の子は20代であっても命を落としてしまうような辛い状況にあって。そういった子が一瞬でも笑顔を取り戻す、美容っていうのはそういった力を秘めてるんだというところに魅力を感じて、今までやってきた婦人科、産婦人科の技術、知識を、美容という方向で援助できることがあればと思い、美容に進みました。

笠井:美容整形は医療とは違うというイメージもあるんですけど、元々あゆみ先生自身が産婦人科の先生ですから、医学を取り込んでるわけですね。

増田:産婦人科の検診は敷居が高すぎて行けず、色々症状が出てきてから病院に行ったら手遅れという場合も多いんですけど、美容で女性器を綺麗にしますよ、というと敷居が低くなってクリニックに来ていただけるので、検査ができるんです。大学病院で学んだ検査で、診察の目線で入ることができるので、子宮頸がんの一歩手前の病変とかを見つけることができ、事なきを得たこともありました。美容は、そういう意味では大きな一つの入口になる可能性があります。

笠井:こういった女性の体に纏わる技術、サービスをフェムテックというんですね。

増田:フェムテックという言葉自体は、女性のいろんな悩みをテクノロジーで改善していこうというものなんですけども、世界的ムーブメントがおきていて、5兆円から10兆円規模の市場があると言われています。日本はまだまだこれからなので、女性の悩みを解決することを日本の高い技術で進めていくことは、経済面も底上げする、そういった1つの起爆剤になるんじゃないかと思います。

笠井:フェムテック市場にはお客さんがかなりいると。

増田:そうですね、まだまだ啓蒙の段階にある人数も含めると、かなり裾野は広いと思います。

笠井:生理、月経、妊活、妊娠、更年期。確かにこういう言葉を聞くと、大っぴらにせず内内で解決すること、そう思っている女性も多いと思うんですよ。クリニックに来て良いんですよという啓蒙はどうされているんですか?

増田:開業するかしないかのタイミングでYouTubeを始めてみようと思ったんです。自分のところに来てくださってる患者さんも「人に言えないんだけど」とか、「旦那さんに内緒で来たんだけど」とか、皆さん最初はそういった状況なんですね。自分のこの悩みは人には言えないし、自分だけなんじゃないかって思ってしまう。自分の女性器が不浄のものと思い込んでる年配の方も多くて。そういった勘違い、誤解を払拭したいなと思ったことがYouTubeを始めたきっかけですね。

笠井: YouTubeの反響でどんなことを感じましたか?

増田:患者さんからのフィードバックでわかったのは、ほんとは必要な情報で、知りたい人も多いけど、世の中にはその教科書とか書物ってないんだなと。私自身も気づきが多かったです。

笠井:さて、後半はキーワードに沿って進めていきます。第一のキーワードはモチベーション。仕事に対するモチベーションの源はなんでしょうか?

増田:笑顔です。私のクリニックの理念がスマイル笑顔なんですね。女性の笑顔は波紋のように広がり、ご家族やパートナー、旦那さんにも笑顔を広げる。それが世界中に波紋のように広がっていけば、世界中が笑顔になる。これを理念に掲げてやってますので、モチベーションは患者さんの笑顔です。

笠井:続いて、第二のキーワードは信念。増田理事長の仕事の信念とは。

増田:患者さんファーストであるべきだと思ってます。自由診療というと、ぼったくりだとか金儲け主義だとか、マイナス面もついて回るんですけれども、そうじゃなくて、まずは患者さんの悩みを解決する。で、患者さんに自分の状況をしっかりとレクチャーする。診察しながら、許可を得たら、女性器の中まで写真や動画を撮って、患者さんにも見せて、自分の状況を知りたい人には教えてあげる。女性器は骨盤内にあって重要な臓器ですから、患者さん自身が知る必要があると思っていて。特に何かで悩んでる人とか、癌の治療中の方も含めて、しっかりしたインフォームドコンセントになればいいなと思っています。

笠井:第三のキーワードは未来へのビジョン。今後どんなところに進んでいきたいですか?

増田:日本の女性は、こういったことは隠さなくちゃいけないもの、不浄のものと思ってる人がまだまだ多いです。そのあたりをちゃんとやっていきたい。経営が安定してきたら、例えばシングルマザー支援や、小中高生の性教育、慈善事業を支援できるような、そんなシステムをクリニック内に作ることを目指してクリニック経営を行ってます。

笠井:これからも女性の皆さんの隠れた悩みの解決に力を尽くしてください。

増田:笠井さんみたいな男性の方がたくさん増えていただければ、女性の笑顔はもっと輝くと思いますので、ぜひラジオを聴いている男性の方もよろしくお願いします。