7月29日(月)配信 BarbieClinic 院長 みすみ
日本医科大学卒業後、都内大学病院にて勤務。大手美容外科池袋院の分院長と技術指導医を経験後、都内美容クリニック院長を務め、2022年12月にデリケートゾーンや乳頭・乳輪などの女性の悩みに寄り添った婦人科形成をメインに行うBarbie Clinicを開院。
笠井:BarbieClinic、女性のための美容クリニックということで、何を専門にやられているんですか?
みすみ:いわゆるお裸になって手術をするような内容でして、お胸ですとか、デリケートゾーンですとか、そういう人には見られないような部分の手術がメインになっております。
笠井:ホームページに婦人科形成って言葉が出てきまして。これはどういう?
みすみ:例えば、乳輪が大きくて可愛い水着が切れないですとか、乳頭が授乳後に伸びてしまって、昔の自分と違うので自信がなくなってしまう、黒ずんでいるのが嫌ですとか。人には普段は見られない姿ですけれども、いざという時に裸になれないというコンプレックスを抱えていらっしゃる患者さんが多いですね。
笠井:それを婦人科形成の分野っていうわけですか。そういう婦人科形成の悩みは最近増えているんですか?
みすみ:悩みはおそらくずっとあるんですけれども、表に出てこなかったと思います。SNSの発達などで、私のような医者がこういう手術がありますよと紹介することによって、なんとかできるんだと知ることができる患者様が増えたという感じです。
笠井:デリケートゾーンは人と比較することができないから、なかなか表に出にくいじゃないですか。皆さんに来てもらうためにどんなことを工夫してらっしゃるんですか?
みすみ:正直、比較はしなくていいと思っております。もうその方が困っていたら適用なので。
笠井:人と比べてじゃなくて、その人自身の価値観でこうしたいっていう願いを叶える。みすみ先生は日本医科大学を卒業したあと、都内の大学病院にもお勤めだったと。なぜ美容外科の世界に入られたんですか?
みすみ:元々医者になる前から美容の世界に興味がありまして、その時には二重の整形をするような医者になると思っていたんですけれども、実際美容外科に入ってみてから婦人科形成を得意分野にすると方向性が固まりましたね。
笠井:大手の美容外科の院長なども経験されたようですが、なぜそこから転身されたんですか?
みすみ:患者様にもうちょっとこういったサービスを提供できたらいいなというのがどんどん自分の中で芽生えました。個人クリニックやアートメイクを専門にしている病院の院長をやらせていただき、そこでこの婦人科形成っていう手術をして、今のスタイルができていったっていう感じです。
笠井:婦人科形成の手術部門をみすみ先生が作られたと。患者様たちはどういう反応でしたか?
みすみ:スタッフからも患者様からも何それと言われるところから始まったんですけれども、私がSNSをやっていることで、全国から患者様がいらっしゃるので、こんなに悩んでる人いるんだねっていう反応が多かったですね。
笠井:ニーズがあるんだってことがわかった。で、その後独立をされるわけですけど、BarbieClinicを開院されたのはいつだったんですか?
みすみ:2022年の12月です。きっかけは、自分が病気をしたというのが一番ですね。乳がんになりまして、ステージ0っていう段階で見つけはしたので、抗がん剤などの治療はしてないんですけれども、手術と放射線治療を終えて、それでもやっぱり死は意識をしました。人生だとか人命は有限なんだなとものすごく実感しました。やりたいことがあったら全部やろうと思いましたね。
笠井:私もステージ4になって、患者会とか行くと、思っていることは後に回さないって人がとても多いですよね。今度僕、初舞台やるんですけど、やっぱりそれも色々やんなきゃなって思って決意をしました。そんな中で、みすみ先生は自分の城を築かれて、コミュニケーションをとても大事にしてるようですね。
みすみ:患者様は長年コンプレックスに感じてらっしゃる方が多いので、なんでこういうお悩みに至ったのかを深く聞くようにしています。
笠井:僕ちょっと面白かったのが、先生が他業種からトークの技を学ぼうとしているって話を聞いたんですよ。
みすみ:自分の世界だけだと凝り固まってしまって、もう医者医者してしまうので、芸人さんですとか、夜職の方々ですとか、SNSでよく発信されているような方々のトークスキルを拝見しております。皆さん恋愛相談などをされているのですが、私も旦那様の悪口ですとか、女性ならではのトークをしていただけることは多いです。
笠井:そういう中から患者さんが望んでいることは何なのかを掴んでいく。意外とそういうところに情報があったりしますよね。
みすみ:ありますね。術後の生活指導もしなければいけないので、生活のお話をしていただく中で、こういうことには気をつけてくださいねというところを見つけることもありますね。
笠井:最後になりますが、未来へのビジョン、どんなことを考えてらっしゃいますか?
みすみ:私はとにかく自分が病気をして時間が有限であるっていうことを実感しているので、皆さんにもがん検診に行っていただきたくて。コンプレックスがあってがん検診に行けないという患者様が多いので、とにかくそこに繋げて、私が体を治すから、がん検診に行ってね、健康面に気を付けてねっていうところに繋げていきたいです。
笠井:がん検診の重要性ってよく講演会とかセミナーでも話すんだけど、今先生がおっしゃっているのは子宮がん検診だとか。そういったところの検査が自分のこの形だと恥ずかしくて受けられない人がいるって話ですか、気づかなかった。恥ずかしいから検診に行けず、癌のリスクが高まると。その形を整えてあげるから検査に行きましょうねと。それで行くようになった人いますか?
みすみ:私は必ず指切りげんまんをしてます。この手術の傷が落ち着いたら、一ヶ月後から検診に行けるので絶対行ってくださいね、と。
笠井:素晴らしい。がんサバイバーとしてその部分は目から鱗だし、尊敬します。美容整形って、美しくなりたいというだけじゃない側面があるんですね。