4月21日配信回
2025.04.21

4月21日(月)配信 株式会社グリーンユーティリティー 代表取締役 森幸一

略歴

三重大学元非常勤講師(エネルギー・スマート学)、名古屋大学高温エネルギー変換研究センター 元研究員、九州大学元非常勤講師、順天堂大学元講師。環境保全に関する論文を数多く発表し、国際会議にて論文発表を行うなど、国内外を問わずグローバルに活動。
2003年9月に株式会社グリーンユーティリティーの代表取締役社長に就任。 現在、7つの国立大学と産学共同で省エネルギー事業を展開。一般財団法人地球温暖化防止LSE技術アカデミア代表理事。

笠井:グリーンユーティリティーさんはどんなお仕事をされていますか?

森:省エネルギー事業と環境改善事業と、新しく健康LED事業というのを立ち上げて頑張っています。

笠井:これは、エネルギーコンサルタントという仕事になりますか?

森:そうですね。基本はESP事業と呼んでいますが、エコロジーソリューションプロバイダー事業という意味です。

笠井:森さんは、グリーンユーティリティーの社長という肩書きの他に、7つの国立大学と産学共同で省エネルギー事業を展開されています。一般財団法人、地球温暖化防止LSE技術アカデミア代表理事も務め、さらに大学の非常勤講師も務めていらっしゃったんですよね。さまざまなことをやる中で、省エネルギーに関する仕事を始めたきっかけはなんでしょうか?

森:もともと電気には、必要な電気と、無駄になり流れてしまう電気があります。これは、使っていない電気にも電気料金がかかっている状態です。この問題は日本では意外とおざなりになっており、弊社はそこに注目して事業をしています。

笠井:なるほど。コンサルティングをする中で電気の無駄を省いていくんですね。

森:そうですね。どこに無駄があるのか、現状を省みて再利用の手立てを提案しています。

笠井:グリーンユーティリティーのお客様というのは、どういう方たちなんですか?

森:一般の家庭から大手企業まで様々ですね。

笠井:具体的に省エネによって電気代を抑えることができたケースはありますか?

森:あります。例えば有名な旅館ですと、年間で約1億4300万円の電気代がかかっていました。

笠井:電気代が年間1億4300万円ですか。

森:大型の旅館だとそのくらいかかります。これを我々が入って6000万円下げることに成功しました。

笠井:それは何か新しいシステムを導入してもらうということですか?

森:そうです。例えば無駄になっているものを無駄にしない工夫づくりですね。そうすることで電気料金が一般的にかなり下がっていきます。

笠井:電気代の大幅な削減で、その老舗旅館も喜んだのではないでしょうか?

森:そうですね。かなり喜んでいただきました。あとは、大型ショッピングモールを展開している会社さんにも弊社を選んでいただきました。徹底的に省エネされた後に依頼が来たのですが、電気代を約54%下げています。

笠井:すごいですね。今、皆さんが節電に取り組むなど、電気代は本当に悩みの種だと思いますが、グリーンユーティリティーさんに相談することで、「ここを変えていきましょう」「このシステムはこっちの機械にしましょう」という提案で、さらに電気代が節約できるということですね。

森:そうですね。そして弊社は、成功報酬型で契約させてもらっています。

笠井:今、流行りの成功報酬型なんですね!

森:当初は流行る前から成功報酬型で仕事をしています。提案して、納得されて、我々が入って、成功するまで全て弊社の費用でやります。そして電気代が下がってから、月々報酬をいただいています。

笠井:そうですか。グリーンユーティリティーさんは何人ぐらいの会社ですか?

森:学者さんが7、8人おります。

笠井:学者さんがいらっしゃるのですね。

森:国立大学の名誉教授で工学博士の先生たちが7名、さらに2、3人呼んでいますので、全部で10名ほどいらっしゃいます。

笠井:そういった学者の先生たちと研究しながらやってらっしゃるのですね。

森:もともと空調を作るにしても、何を作るにしても学者さんの知恵が入っていますので、その知恵を十分に利用させていただいています。

笠井:そうですか。そして、健康LED事業もされていらっしゃるのですよね。

森:私の会社では陽光LEDと呼んでいます。太陽光の陽光ですね。ただ、日本では光の重要性があまり知られていないと思っています。

我々が生きていくためには水と空気と光が必要ですよね。太陽の光を浴びると、ビタミンDが生成されるなどメリットが多いのですが、意外と光の大切さが伝わっていないと感じています。

笠井:なるほど。LEDは明るくて省エネで、寿命が長くて安い、新しいテクノロジーだと思っていますが、いかがでしょうか?

森:素晴らしいですよね。ただ、個人的には光のバランスが悪く、あまり健康的ではないと思っています。

笠井:光のバランスですか。良い光のバランスとはどういうものでしょうか?

森:一般的なLED照明の光は太陽光に含まれる重要な光が欠けていてバランスが悪く、ブルーライトも含め健康被害がでています。

笠井:光のバランスですか。良い光のバランスとはどういうものでしょうか?

森:太陽光には、15のエネルギーがあります。一般的に7つのエネルギーは皆さんご存知の虹の光です。青から始まって最後が赤になります。7つのエネルギーの他、国際規格に準ずるとエネルギーは15種類あります。そして15のエネルギーにはそれぞれ「自律神経を整える」「副交感神経を働かせる」などの意味があると言われています。

笠井:なるほど。

森:ところが、LEDの光はバランスが悪く、460ナノメートルというブルーライトが多く入っていたり、重要な光が入っていなかったりします。そのため、LEDの光は自律神経などに影響があると言われています。

笠井:それで、ブルーライトの部分を減らした健康的なLEDの開発をされたのでしょうか?

森:そうですね。ここ20年やってますね。

笠井:ここに来るまでのターニングポイントになった出来事はありますか?

森:例えば、LEDだと、東京の地下鉄副都心線の9駅で弊社の商品が採用されたというのが大きかったです。

笠井:どういう流れで採用されたんでしょうか?

森:副都心線ができるときに、新しくできる9つの駅にLEDの案内板を入れることになったんです。日本全国でのコンペがあり、8社が選ばれました。弊社も提案して8社の中に入って喜んでいました。しかし、「最終的に選ばれるのは1社です」と言われ、試験コースに設置しコンペがスタートしました。なんと弊社が優勝したんです!今年開催の大阪・関西万博にも展示されることが決まっております。

笠井:すごいですね!

森:今、副都心線の新しい駅はすべて弊社の設計・開発が入っています。

笠井:私、いつも副都心線を使ってるんですよ。まさか、駅の案内板がグリーンユーティリティーさんの仕事だったことに驚きました。

森:これがターニングポイントになり、様々な国及び地域から問い合わせが増えています。

笠井:そうですか。これは一般の家庭でも健康的なLEDライトを入れるという事業もしているのでしょうか?

森:はい。一般的なライトだと、ずっと同じ光を浴びることになりますよね。ただ、太陽の光は刻々と変化しています。弊社の開発LED商品「陽光」は太陽と同様に時間により光の波長が43回自動的に変化するようになっています。体内時計を整えるために、朝の光、昼の光と変化し、夜は月の光に変わっていく。これは世界初になります。

笠井:そういう照明器具を販売されているのですか?

森:そうですね。

笠井:世の中には知らないことがたくさんありますね。

光に対する新たな見方を教えていただきましたが、これからの目標はどんなところにありますか?

森:日本は世界のトップクラスの病気大国になりました。これには光が原因していることが分かってきました。これを何とかしたいなと考えています。私だけが言っても伝わりませんので、学者の先生方と一緒に太陽光の恩恵をエビデンスとして示した上で伝えていきたいです。

笠井:いろいろと学ばせていただきました。ありがとうございました。