8月19日配信回
2024.08.19

8月19日(月)配信 医療法人社団妍麗会 三鷹の森皮フ・形成クリニック 理事長 大久保麗

略歴

1969年生まれ。1994年に東京女子医科大学を卒業。女子医大の形成外科学教室の関連病院で勤務し、2009年学位取得。2年間東京医科大学皮膚科に出向し、経験を積む。2013年4月に三鷹の森皮フ・形成クリニックを開業し、今年11年目を迎えた。2019年にあらた形成スキンクリニックを開業した。

笠井:三鷹の森皮フ・形成クリニック、どういったクリニックですか?

大久保:皮膚科と形成外科が融合したクリニックです。元々専門は形成外科なんですけれど、皮膚科と密着しておりますので、診断から治療まで一つのクリニックで行えるような形成外科のクリニックとなります。

笠井:形成外科となると、医療形成外科、美容形成外科、色々あると思いますが、どちら側に重きを置いてらっしゃるんでしょうか?

大久保:どっちもやっています。

笠井:そもそも東京女子医科大学でお医者さんになるための勉強をされていて、そこで形成外科の道を選ばれたそうですね。どうしてでしょうか?

大久保:形成外科は実習で一番先に訪れた科で、実習では様々な疾患の人のお話を聞くのが仕事になってまして。見たこともないようなあざの人とか、術後の人とか、怪我をした人、先天性に耳がない人の耳を作っていたり、すごく様々なことがありまして。刺繍とか、そういう縫うような外科の手術に憧れていましたので、形成外科でやってみようかなと思って入りました。

笠井:大久保さんは皮膚科の先生もやっていらっしゃるとのことで、形成と皮膚って違う感じもするんですが、どうしてですか?

大久保:形成外科だけですと敷居も高くて、皆さん何をやっているかわからないと思うんですけれど、皮膚科ですと、ニキビからホクロ、出来物まで大体最初に訪れるものですよね。小さい手術だったらクリニックでも可能ですので、ぜひクリニックにどうぞとお話ししています。他の先生方からもよく紹介されて、腫瘍の切除とか、水虫とか、全て皮膚科で吸い上げて、形成外科で治療しています。

笠井:三鷹の森皮フ・形成クリニックでは手術もできるんですね。三鷹で開業されてますが、ご実家が開業医でいらっしゃるんですか?

大久保:違うんです、全然普通のサラリーマンで。

笠井:じゃあ、0から開業医として立ち上げたと。普通美容もやろうかなっていう形成外科の場合、銀座とかでやるのが一番安牌と言いましょうか、一般的だと思いますが、それを三鷹。しかも住宅地で、駅前でもない場所で。どういった選択だったんですか?

大久保:まず実家が三鷹市にあるんです。先輩方には駅前が良いと言われたんですが、三鷹の地の利を知っておりますので。吉祥寺駅に続くメインの通りはバスが通っていて、ちょうどバス停の側にメディカルコートという内科と歯医者が入っている場所があって、そこに空いている店舗がありましたので、ここだ、と思いました。

笠井:つまり、実家周りな故に土地勘があって、ここなら商売できるという勘が働いたっていうことですね。11年前にオープンされて、実際にクリニックの店舗作りで意識したところをお聞きしたいのですが、美容外科もあるってことは、女性を意識した店構えになってるんですか?

大久保:男性でも来てほしいっていうのもありましたから、男女共通でベージュな感じにしています。キッズスペースもありますし、男性でも、おじいちゃんでも、子供でも入りやすいようにしています。

笠井:地域的にも、女性のための病院ではなくて、いろんな人に来てもらいたいと。実際、男女比はどうでしょうか?

大久保:半々ぐらいですね。

笠井:形成外科と皮膚科と、どちらの方の患者さんが多いんでしょうか?

大久保:やはり皮膚科ですね、皮膚科だと思ってる方が多いので。ここで手術できるんですか、っていう人も多いです。水虫もとびひも見るし、虫刺されから、シミを取ったり、ホクロを取ったりしています。

笠井:例えばお子さんが怪我したとか、お子さんのアトピーだとかで来てるお母さん方が、シワやホクロの除去をお願いしてくることもあるんでしょうか?

大久保:実際敷居が低いですから、ここでホクロも取れるの?と言われたこともあります。

笠井:住宅地で美容外科に入るのはちょっと勇気が入りますもんね。でも子供の皮膚科に付き添ってきたお母さんが、ちょっと見てもらえませんかっていう流れが生まれる。初めからそういった戦略だったんですか?
大久保:そんなことはないですが、皮膚科はやっぱり裾野が広いですから。患者が多いので、その中で皮膚の腫瘍、悪性っぽいのもちゃんと取れますので、その辺を説明して治療もできるとお話しています。

笠井:皮膚科の2年間の経験を自らやろうとしたっていうのは、もう先見の明ですよね。

大久保:そこは昔いた女子医大の教授のアドバイスもありまして、いずれ開業しても困らないようにと皮膚科を勧められました。

笠井:三鷹の森皮フ・形成クリニックではオーソモレキュラーという考え方を取り入れてらっしゃると聞きました。

大久保:自分の食生活が偏っていると思ってる人は多くいらっしゃると思うんですが、採血検査で分析して、何が足りていないかを、分析できるようなシステムがありますので、それを紹介しています。

笠井:つまり、健康管理や病気の予防を血液検査で分析して、指導していくという。それはまた治療とは違う、一歩進んだ考え方ですね。

大久保:やはり牡蠣が食べれない人は亜鉛がなかなか取れませんし、レバーが食べれなくて鉄分が取れない人もいます。そういう方にはサプリメントが必要になりますが、自分に何が足りてないかわからない人も多いですので、そのあたりを明確に出来たらと思っています。

笠井:皮膚科と美容形成、形成外科から、そういった患者さんのニーズを掘り起こすのって難しくありませんか?

大久保:同じ症状で何回も来る方がいらっしゃいますから、だんだんお話していくうちに、思い当たるものがないかどうかサジェスチョンしていきますと、かなり生活が良くなったっていう方も多くいらっしゃいます。

笠井:つまり、普段の問診からその人の健康の問題点や改善点を見つけ出していくという。まさに住宅地のクリニックならではの生活の中に根付いた感じがする対応ですね。最後になりますが、未来へのビジョンを教えてください。

大久保:形成外科を発信するために、YouTubeとかやっていけたらいいかなとは思います。一般的にあるようなものではなくて、もうちょっと利便性に富んだようなのを制作していけば、なかなか来られない人でも、それを見て日常生活を有意義にできたらなと思います。