6月9日(月)配信 大内雅之アイクリニック 院長/医学博士 大内雅之

東京慈恵会医科大学卒業後、京都府立医科大学眼科学教室に入局。公立南丹病院眼科医長、京都府立医科大学大学院、京都府立医科大学客員講師を経て、2018年大内雅之アイクリニック開設。「担当医の顔が見える医療、術前から術後まで執刀医による一貫した診療」にこだわる。特に白内障手術に関して、関西では突出した講演、論文実績を持ち、指導的立場で臨床にあたる。国内・海外での受賞歴多数。
笠井:京都にある眼科とお聞きしていますが、どんなクリニックか教えてください。
大内:眼科の領域にも色々ありますが、私は白内障手術、そして近年非常に注目されています、ICL(有水晶体眼内レンズと言いますが、)目の中に眼内レンズを入れて近視を矯正する手術。この2つの手術を専門にしています。
笠井:白内障手術に関しては、国内、海外での受賞歴もたくさんあると聞きました。どういうところで受賞されるのでしょうか。
大内:一番大きなところは、日本白内障屈折矯正手術学会という、世界最大の白内障と近視の手術の専門の学会と、国内の学会でいくつか賞をいただいています。
笠井:さて、大内さんのこれまでの経歴ですが、東京慈恵会医科大学卒業後、京都府立医科大学眼科学教室に入局されて、2018年大内雅之アイクリニック開設。手術を専門にされているというのはよくわかります。なぜ京都でこの大内雅之アイクリニックを開業されたのでしょうか?
大内:京都には主に網膜や角膜の病気の専門家が多いですが、白内障手術、そして近視、白内障近視など有病率の多い疾患の専門家はいませんでした。大勢の患者さんが必要とする病気の手術の専門家に自分がなろうと思い、京都でこの白内障ICLの専門のクリニックをオープンしました。
笠井:そうですか。白内障に関して高齢になると皆さんがなるって本当ですか?
大内:程度の差はもちろんありますが、80歳以上になると100%と言ってもいいですね。もちろん全員が手術をしなきゃいけないステージになるわけではないですが、水晶体が濁るという点で言うとほとんど100%なんです。
笠井:そうした中で、大内先生が手術を中心に医療を提供するところで、特に力を入れている手術はどの手術なんでしょうか。
大内:それがやはり白内障手術、そして近視手術の中でも、ICLという目の中に眼内レンズを入れる手術、この2つです。
笠井:コンタクトレンズのようなものを目の中に手術で入れるとなると、異物を目の中に入れるようで、抵抗がある人がいると思いますが、メリットはどこでしょうか。
大内:レーシックはレーザーで角膜の形状を変えることで近視などを矯正しています。角膜を削ることで視力が回復しますが、一度削った角膜は元に戻すことはできません。一方、ICLの方は目の形を何も変えない。1枚レンズを目の中に入れるだけですので、収差が増えず、クリアで鮮明な見え方が期待できる一方で、将来的に白内障手術が必要になった場合でも、レンズを取り出すことが可能で白内障手術時の計算を狂わせません。つまり、見え方の質が高いということと、次の手術に困らないことがメリットになります。

笠井:仕事へのこだわりはどのようなものでしょうか?
大内:病院側もHPで情報を自由発信できる今、例えば「当院は経験豊富」とか「熟練した」など抽象的な表現はいくらでも言えると思いますが、本当に良い手術をする医師というのは、同行他者から評価される医師だと思っています。
でも、本当に信用できるのは講演実績と論文といった客観的評価です。論文は同じ専門家が見て、掲載する価値があると判断したものだけが掲載されます。講演というのは医師に教える医師ということになりますので、それを依頼されている実績が多いというところが、客観的な評価になります。私も若い頃からそういう先輩方を見て憧れを描いてきました。専門医として生きていくからには自己評価でなく、客観的な真の評価を受けながら仕事を続けていきたいです。
笠井:つまり他の眼科医から大内先生はいいよと言ってもらえる、医師になろうと。だから、ベストドクターズに2期連続で選ばれたんですね。
大内:これはまた面白いもので、ミシュランと同じシステムで、あなたが選ばれましたと急に連絡が来るのです。選出方法に関しては匿名でいろんな同じフィールド専門の人に投票アンケートをしているらしいです。思い返せば私も答えたことがありました。
2022年に初めていただいてから、続けていかなきゃいけないなと思ってますし、それを恥じないよう、きちんとみんなに出せる仕事を続けていきます。

笠井:大内先生が仕事をしていて嬉しいと思う瞬間はどんなときですか?
大内:白内障手術、近視手術に共通して言えますが、術後すぐから”よく見える”ということを実感してくださるというところです。そして、その人の生活の質を変えることができるところです。
笠井:まさにその通りです。私も近視手術を受けていますが、62歳になっても、メガネを使わずに仕事ができるのは手術のおかげです。僕は仕事柄、小さな文字の台本を読みながら、トークのカンペを読まなければいけない。これがメガネなしで可能になったのは、目の手術をしたからで、本当に助かっています。
以前はコンタクトを使っていましたが、なかなか合わずに、痛みを我慢しながらずっと使っていましたが、そのストレスもなくなったのも最高です。
大内:ICLやレーシックを含む近視の矯正手術に関して、メガネをかけるかかけないか、コンタクトをつけるかつけないか、病気ではない以上、そんなことはどっちでもいいじゃないっていう価値観を持っている医者が少なくはない。そこは違うんだと。
メガネやコンタクトから開放されるということが、いかに生活の質を上げるかということ。そこに手術でアプローチするということが、どれだけ価値のあることかということを、改めてお伝えしたいと思っています。
笠井:私も経験者として声を大にして言いたいです。生活の質を上げることで、どれだけ自分の生活が楽になって、そして過ごしやすくなったか、生きやすくなったか、仕事も含めてとっても大切なことです。
笠井:最後に、今後挑戦したいことをお聞かせください。
大内:自分一人でできることというのは限界があると思っています。ここから先は、次の世代、次の日本のためにいい手術を伝えていく。そこに注力していきたいなと思っています。
