9月27日(金)配信 La Vita Counselling & Spiritual Care Director 佐野仁美

1967年生まれ。1991年に慶應義塾大学法学部を卒業後、金融機関に就職。2008年にシンガポールへ転職し、2010年にミディアムシップのセッションを初体験。2013年から英国アーサー・フィンドレイ・カレッジの講座に毎年参加。豪モナッシュ大学院でカウンセリング学を学び、認定スピリチュアル・ヒーラーとして活動を開始。2021年にはYouTube「3人のミディアム」を開始し、カウンセリングやワークショップを開催している。
笠井:どんなお仕事をされているか、簡単に教えていただけますか。
佐野:スピリチュアリズムという魂の哲学をベースに、ミディアムシップ、スピリチュアルヒーリング、そしてフィロソフィーをセッションしたり、講座をしたりしてお伝えするお仕事をしています。
笠井:佐野さん、慶応大学卒業された後、色々と渡り歩かれているんですけれども、金融系のお仕事は続けながら、La Vita Counselling & Spiritual Careという仕事もやってらっしゃると。数字とお金の世界で働いてらっしゃる中で、スピリチュアルな世界というものに出会ったのですか。

佐野:そこに至るまでの布石が1個ありました。それは、ミディアムっていう存在に出会ったことです。
笠井:ミディアムっていうのは?
佐野:亡くなった方の言葉を伝える人です。英国のアーサー・フィンドレイ・カレッジという、ミディアムシップのトレーニングの学校で日本語通訳付きのコースがあって、初めてミディアムシップを自分でやってみたんです。
笠井:ミディアムシップというのは、亡くなった人と繋がるということですか?
佐野:そうです。
笠井:授業や講座があるってことは、スピリチュアルのカウンセラーには資格があるんでしょうか?
佐野:まず、ミディアムに資格はないです。ヒーラーになると、私が通っているそのスピリチュアリストナショナルユニオンというところは資格制度を設けてるのです。実は英国でしか使えないんですよ、その資格というのは。
笠井:スピリチュアル、カウンセリングもそうなんだけども、海外では一般的にやられたりしてますけど、日本ってそういったことに頼るハードルが、とても高い気がするんですよ。
佐野:私も本当にそう思ってます。ヒーリングについて言うと、英国ではハリー・エドワーズというヒーラーさんがスピリチュアルヒーリングが効くということを証明して、英国医師会を説得したんです。
笠井:医療として認められているということですか?
佐野:法律的に補助療法として認められているということです。
笠井:僕も長期入院してるんでわかるんですけども、精神的な支えって結構必要なんですよ。それによって、QOL、生活の質を上げていく。治療とは別に、生きていく上での力をつけることはとても大事なことです。だからイギリスではヒーリングが一つの補助療法として認められてるわけですね。
笠井:佐野さんの仕事との向き合い方について、第一のキーワードはモチベーション。仕事のモチベーション、その源はなんでしょうか。
佐野:モチベーションって今まで考えたことなかったんですよ。おそらく皆さんが考えてる、例えばお金だったり、有名になるとか、集客ができるとか、そんなものは全く関係なくって。
笠井:お仕事は他でお持ちですから、稼がなきゃっていうとこには至らないわけですね。
佐野:そうです。モチベーションになるとしたら、スピリットワールドに使ってもらえるようなミディアムやヒーラーになるということ。霊界の言葉やエネルギーを伝えたりするだけではなくて、日常生活も地に足のついた、いわゆるスピリチュアリズムのフィロソフィーに沿った生活を心がけて、少しでも霊界と地上界のお役に立てるような人間性を伴った人になりたいなと。
笠井:実際に佐野さんのところに集まってくる方々、ネットで宣伝したりとかは違うんですよね。口コミですか?
佐野:口コミですね。あとはYouTubeもやってるので、それを見てコンタクトしてくださる方もいらっしゃいます。
笠井:どんなジャンルの悩みが多いんですか?
佐野:やはり、ヒーリングだけではなくてミディアムシップと言うと、亡くなったご主人に会いたいというような悩みが多いです。
笠井:僕、東日本大震災の取材が長いんですけれども、ずっと携帯の録音を聞いてる方とかいるんですよね。繋がっていたいという思い、それはよくわかるんです。だから突然亡くなると、どういう風に心を持っていたらいいかわからないという方がいらっしゃる。
佐野:そうなんですよね。

笠井;第二のキーワードは信念。佐野さんの仕事への信念、仕事をしている上で大切にしていることはどんなことですか?
佐野;一人一人を大切にしています。自分のことではなくて、その相手の方がどうやったら楽になるか、どうやったら救われるか、どうやったら私が役に立てるかということが一番なんですね。
笠井:最後に、第三のキーワード、未来へのビジョン。これからどんなふうにしていきたいという思いがありますか?
佐野:ミディアム、スピリチュアルヒーラーって言葉が少しずつ広がりつつあるんですよ。私が学び始めた時とはもう比べものにならないくらい興味を持つ方、なりたいという方がいっぱいいらっしゃる。
笠井:佐野さんと同じように、学んで人の役に立ちたいって人が増えてる。それは何故だと思いますか?やっぱり世の中の流れ、異常気象、天変地異が多いとか、不安とか。
佐野:あとは自己承認欲求、自己超越欲求とかですかね。
笠井:自己承認欲求も関係してる?
佐野:そういう入り口から入る方もいます。あとは、自己承認欲求の上に自己超越欲求がある。マズローの欲求5段階説の上に第6があって。いわゆる見えないものだったり、魂だったり、そういったものに対する欲求。自分は聖なる衝動を持っているとか。そこに該当するのかもしれないなとも思っていて。
笠井:ヒーラーの人たちが増えていくと、当然ヒーラー協会みたいなのはできるんじゃないですか?
佐野:個別にはあるかもしれないですが、難しいと思います。ヒーリング出来ます、で終わってしまう方が多く、魂の哲学、地上を歩む上でのフィロソフィーを知らないでやっていらっしゃる方が増えている。私としては、地に足の着いた哲学を学んで、魂を解けるお話ができるようなミディアム、ヒーラーを増やしたい。そういう方と共に歩んでいきたいというのが私の願いです。
笠井:ヒーラーを育てたいというお気持ちがあると?
佐野:そうです。その活動もしてます。講師を育てる事業も始まってます。
笠井:一人の人を救いたいではなくて、救う人を育てる。この番組はビジネス番組なので質問させていただきますが、スピリチュアルなお仕事はビジネスとして成立するんですか?
佐野:難しいと思います。専業でミディアムになりたいという方は、欲が出てるわけなんですよ。これは霊界から預けられるお仕事なので、どちらかというと、兼業でやった方が良いと思います。
笠井:まさに佐野さんは金融のお仕事されながらやってらっしゃると。
佐野:この考え方とかアイデアは、多くの経営者の方々にとっては、おそらくわかっていただけるフィロソフィーだと思うんです。いわゆる自分の生き方、会社の作り方とか、人のマネジメントの仕方とか、人や家族、従業員のためにやられてるわけですよね。それってある意味この人生哲学、フィロソフィーと似通った部分があると思うんです。
笠井:直接的にビジネスとして成立はしない可能性がある、これで食っていこうって思ったら、もうその時点で成立しなくなるっていうお話なのがよくわかりました。
