12月15日(月)配信 岐阜自動車輸送株式会社 代表取締役社長 田島恭子
1990年、不二サッシ株式会社入社。1997年、結婚を機に退職し、子育てに専念。後に、当時父が社長を務めていた岐阜自動車輸送株式会社に入社。2018年、代表取締役に就任し、現在に至る。
眞鍋:この番組には2回目のご出演ということですよね。また、9月にあった中小企業ビジネス&イノベーションアワード2025でお会いしています。ローカルフレンドリー賞を受賞されましたよね。反響はありましたか?
田島:東京のラジオ局の賞をいただいたということで、皆さんびっくりしていました。でもおめでとうと言われて嬉しかったです。
眞鍋:岐阜自動車輸送株式会社さんの代表取締役さんがこんなに柔らかな雰囲気をまとった女性、ということにまず驚きました。業界は、男性のイメージが強いですよね?
田島:女性の方がいらっしゃる会社もありますが、弊社の積載車の方は男性ばかりで、構内の新車の運搬は女性が3名います。
眞鍋:輸送をやってらっしゃる女性のドライバーさんがいらっしゃるのですね。
トヨタさんの協力会社として輸送の業務をされてらっしゃるんですよね。具体的にどのようなお仕事をされていますか?
田島:弊社はトヨタ輸送株式会社さんの協力会社の一社で、その中の岐阜の会社で70年以上やらせていただいております。工場で作った車を、ヤードに移動する新車構内移動作業の仕事と、そこから近くの出荷地まで持っていく仕事を二本立てでやっております。
眞鍋:この会社の社長に就かれたきっかけを教えていただけますか?
田島:10年ぐらいは事務の仕事をしていまして、その後、父の姉(叔母)”明日辞めてしまう”ということで、父と喋っていたら、急に「明日からやるか?」と言われました。私はその時、銀行にパートで行っていました。でも、「明日から来い」と。
眞鍋:「明日から来い」ですか!?
田島:そうなのです。THE・昭和の男の人なので。ちょっと待って、ということできちんと段取りをつけて入りました。ずっと祖父からやってきたことなので、ここで切れないなと思って、やると決意しました。
眞鍋:引き継いでみて、これは聞いてなかったなとか、こんなこと起こるの?ということはありましたか?
田島:初めは男の人ばかりで怖かったですね。
眞鍋:ガテン系、みたいなイメージがありますが…
田島:そういうイメージがあると思いますが、トヨタさんの仕事をしていますので、とても厳しいです。なのでそれについてこれる人じゃないと、厳しいことをいいますがうちでは働けないです。
眞鍋:そういったことを直接口にしておっしゃったり、厳しいこと言ったりとかもしますか?
田島:私はたまにしか言いません。私が言ったら最後なのであまり厳しいことは言わないです。あえて奥さんの話とか子どもさんの話など違うことを話します。

眞鍋:引き継がれてから、今までやっていたお仕事をされているのはもちろんあると思うのですが、自分で新しく力を注いでいることはありますか?
田島:常に車の入れ替えをしてあげると喜んでもらえます。大きい車なので、すぐには入ってこないのですが、新しい車を与えてあげると喜んで頑張ってくれます。
眞鍋:車を運ぶための、車ですよね。よく街中で見るのは、後ろが2段とかになってて、車がそこに乗っているのを見かけます。
田島:東京の都心だと大きい車は走れないと思うのですが、岐阜だともっと大きいです。6台ぐらい乗ります。
眞鍋:多分私が見たことあるのは最大2台〜4台です。
田島:豊田地区とか行くと、6台積みの車とかバンバン走ってます。トヨタ自動車がある豊田市とか行くと、お膝元なのでうちと同じような会社がいくつかあって、工場もいっぱいあるのでたくさん走っているのですね。
眞鍋:面白いですね。独特の文化というか、産業圏というか。
田島:でも意外と輸送の仕事を皆さんあまり認知されてないのかなと思いますので、車を運ぶ、自分の家に車が来るということは、そういう間に運ぶ人もいるよ、ということを知ってもらえるといいなと思います。
眞鍋:後半では3つのキーワードで、お仕事との向き合い方を伺っていきます。まず第1のキーワード、モチベーション。田島さんのモチベーションについて教えていただけますか?
田島:皆さんが仕事をしている姿がとてもかっこいいです。車を積み込む姿とか、かっこいいな、と思います。それを見ると自分も頑張ろうと思えます。
眞鍋:幼少期からお父様の会社で、ドライバーさんを見ていたというのもありますか?
田島:見てないのです。見てないけど、車に携わっている仕事をしているというのはなんとなく小さい時から分かっていて、よく販売店さんに行った記憶はあります。
眞鍋:やはり車は身近にあったのですね。大きい車を運転している人は、かっこいいですよね。
田島:いろんな年齢の方がいますが、本当にかっこいい。道板という車を乗せる板があるのですが、サッと出して、サッと乗せていく姿がすごいなと思います。
眞鍋:そういう技術もすごいし、その方がトレーラーも運転されるんですよね?これは何の免許でしょうか?
田島:特殊免許です。
眞鍋:すごい。職人さんの世界ですね。
田島:そうなんです。だからもうちょっと認知されるといいなと、正直思いますね。

眞鍋:続いて第2のキーワード、信念。信条、大切にしていることや言葉などはありますか?
田島:ご縁の「縁」という字が好きです。今回のこのラジオもご縁だし、会社に来てくれた社員さんも縁があってうちに来てくれたということは、皆さんには家族がいる。独身の方でも皆さん親がいて、結婚されると奥さんがいて、子どもさんがいて、という家族がいるので、その人たちのことも考えて行動しろと、社長になった時に父に言われました。
そのご縁があるから皆さんの家族構成とか、頭にすぐ入るのですが、今あの子は小学生くらいかなとか、大学生くらいかなとか、子どもさんが結婚したとか聞くと嬉しいなと思いますし、いろいろな仕事関係の取引先の方も、すべてがご縁だなと思って、今回のこのご縁にもとても感謝しています。
眞鍋:前半でドライバーさんのご家族の話とかをされたりするとおっしゃっていましたが、やはりそうやって覚えててくれたりとかすると嬉しいですよね。会社の代表取締役されてる方ってその従業員さんがいらっしゃるわけで、でもその人たちだけじゃなくてその人が養っているご家族のことまで自分が大切にしたいと考えてらっしゃいますよね。
田島:そうですね。それは父に言われました。それは大事にしなきゃいけないことだなと、常に思っています。
眞鍋:責任感というのも多分ものすごくあるのだなと思いますし、私は人を雇ったことがないので想像するしかないですが、考えただけで、重圧がすごいなと思います。
そして第3のキーワード、未来へのビジョンはどのようなことがありますでしょうか?
田島:お仕事相手がトヨタ自動車の系列会社なので、与えられた仕事を丁寧に、事故なく運ぶ。あと社員さんの能力を確保して仕事をこなす。それに尽きるのですね。
眞鍋:そうやって丁寧に仕事をするからには、常に安全に関わる仕事だから、個人個人の状態にも気を使わなきゃいけないですよね。
田島:そうですね。今の時代はいろいろなコンプライアンスもありますし、体調管理に対しても会社がしなきゃいけないのかなという時代もありますし、元気よく皆さんが働いてくれればいいかなと。会社が70年過ぎたので、今度は80年とか続くといいなと思います。
眞鍋:働き方とかもいろいろ変わってきたりしている中で、どういう風に会社の従業員さんへの働き方に配慮されていますか?
田島:いろいろな方がいますから、今は個人に合った仕事の仕方。形としては一昼夜勤なので、昼勤やったら次は夜勤という交代なのですが、中には家庭の事情で昼しかできない、夜しかできないという方もいますので、そこは個人に合わせて、それでいいよという風にしています。
眞鍋:なるほど。人材の確保という意味でもすごく大変ですよね。特殊免許というか、特殊能力でもあるわけじゃないですか。
田島:ベテランのドライバーさんは、センスっていいますね。好きだけではできないですね。中には、入ってきたけれど、ごめんなさいと断る人もいました。
眞鍋:頑張っても、向いてないんじゃないかな?ということですかね。
田島:見習い期間で、ごめんなさいということはありました。やはり事故を起こしたくないので、お互いリスクを持ってやるというのも今の時代は合ってないのです。
眞鍋:そういった部分では、いい人を見つけてくるのも大変ですし、育てるということもあるわけですね。
田島:育てる、先生役にしてる乗務員はいるので、その方たちに任せています。その方が合格を出したら採用して、ちょっと難しいと言われたら、人手不足なので欲しいと思っているのですが、今回はごめんなさい、という時もあります。
眞鍋:やはり人手不足の波はありますか。どの業界でも悩んでるかなと思いますね。
田島:なので、この大きい積載車を運ぶという仕事を、もう少し世の中に知っていただければなと思います。
眞鍋:岐阜自動車輸送さんがなければ、新車が届かないっていう人がたくさんいるわけですから、このお仕事についてたくさん広まってくれるといいですね。
田島:認知いただけると嬉しいです。
眞鍋:ありがとうございました。

