8月12日(月)配信 山下会計事務所 所長、公認会計士・税理士 山下勝弘
1956年生まれ。大阪府出身。1978年関西学院大学経済学部卒業。監査法人勤務を経て、1985年公認会計士登録。1990年税理士登録。現在は公認会計士、税理士として、父が1961年に創業した山下会計事務所の2代目所長。著書に『平成大混乱・大不況がやってくる』、『官制不況は大転換のチャンス - 上杉鷹山を越える男「山田方谷」に学ぶ』などがある。
笠井:山下さんは公認会計士と紹介させていただきました。リスナーさんは、この番組としては普通の人が来たな、という印象をお持ちかもしれませんけれども、山下さんはたくさん本を書かれてまして、経営セミナーも開催されています。そして経済評論家でもあるんです。山下会計事務所は会計事務のどの辺りを中心にお仕事をされていらっしゃいますか?
山下:基本的には税務の申告です。もうほとんどそれが我々の仕事です。公認会計士ですから、会社の監査というのを行うのですが、それは1%ぐらいしかないです。
笠井:2代目所長ということですけれども、お父様の後を継がれたようですね。
山下:父が1961年に事務所を開設しました。
笠井:もう創業60年以上と。山下さんは、いつ頃公認会計士を目指されたのですか?
山下:中学生の頃に、たまたまなにかの雑誌で、公認会計士という仕事、資格があると知ったんですよ。父親は税理士と不動産関係をやっていたんですが、税理士よりも公認会計士の方がかっこいいなと思って。ただそれだけなんですけどね。それで公認会計士の資格を取ろうと。
笠井:公認会計士というと、会社の数字を見て色々と改善点を指摘してくれるのだろうなと多くの人が思ってると思うのですが、そういうものですか?
山下:そういうものではないと思います。ほとんどの税理士や会計士は、数字はわかるのですが、その裏で何が行われているかっていうのはわからない。
笠井:大事なところはどこなのでしょうか?
山下:本当は会社の心というか、経営者の心が大事だと思ってます。どういう会社を作っていくか、将来どういう会社にするんだ、というようなことをしっかりと心に描くということが大事です。
笠井:色々なクライアントがいると思うのですが、やはりそういうのが明確な方と、ある種あんまり考えてない方と、色々な方がいらっしゃいますか?
山下:色々な方がいらっしゃいます。全く考えてないという方がほとんどです。成り行きで、今までこんな仕事してきたからこれでやっていけるだろう、とそれだけでやっておられる方が多い。
笠井:それだと、どうしてうまくいかないんでしょうか?
山下:方向がバラバラになってしまうと思います。進むべき道っていうのが、はっきりしない。だから、どうしてもあっちに進み、右に進み、左に進み、というようなことになってしまいます。
笠井:場当たり的な経営になってしまうと。そうなると、山下所長のやるべきことは、社長の心をどうするかってことになるのでしょうか?
山下:そうですね。自分の会社の理念をしっかりと作ってもらう、その理念を明確にしていく。
笠井:うちの番組でも、企業理念はどんなものをお持ちですかと質問を必ずしていますが、ここにいらっしゃる方は理念がしっかりしてる方が多いです。山下さんは企業理念構築のためのお手伝いもされていると。
山下:これが今、私のメインの仕事になります。
笠井:数字の判断じゃないんだ。
山下:経営者の真髄がそこにあるんです。だから、それに気づいてもらうということをやっています。
笠井:そういう中でお仕事をしていて、逆にお聞きしますけれども、山下会計事務所の企業理念はどういうものなのでしょうか?
山下:100年企業を目指す会社を支援する、そういうキャッチフレーズを作っています。
笠井: 100年続けることを目標にしている企業?
山下:そうです。これから100年続けられる会社、そういった会社になってもらうためのお手伝いをするのが我々の仕事という風に考えています。
笠井:今だけいいというような会社じゃなくて、もっと先を見据えてくださいってことですね。そのためにどんなご指導をされるのでしょうか?
山下:やはり社長の理念を明確にしていただくこと。そこから出てきます。それがあやふやな会社はどうしてもふらふらするんです。
笠井:基本的精神の中に、般若心経の教えがあるというお話を聞いたのですが。
山下:般若心経に色即是空という言葉がありまして、心に何もわだかまりを持ってはいけません、何もないようにしてください、というようなことをおっしゃるんです。でも、あれは私は理解としては間違ってると思います。空の世界っていうのは、元々真空の世界のことを指していると私は理解してます。で、真空の世界のことが研究されてる量子物理学というのがあるんですが、まず全くの真空という塊があって、それが138億年前に大爆発して今の大宇宙を作ったと言われています。何もないと思われてた真空の塊の中に、実はこの大宇宙を作るすべてのエネルギーが詰まっていたと。
笠井:今の話と、経済や企業の話はどう繋がってくのでしょうか?
山下:我々はその中で生きてるわけで、空と我々は繋がってるんですよ。真空の世界と今でも繋がってるんです。そして、真空の世界には全てのエネルギーが詰まっている。真空の塊があって、1つほつれができて、粒子が1つ飛び出すと一次元の世界になります。で、2つほつれができて、2つ粒子が飛び出すと二次元、3つ飛び出したら三次元、それが十一次元まであります。我々は三次元の世界しか認識できないんですが、心の世界っていうのは、その空と繋がってますよ、というのが般若心経の教えです。だから、三次元の世界にいると、三次元以下のことしかわからない。でも十一次元まで繋がっているのですから、自分の心の思いというのは、そこで全て実現していけるんです。だから、心をしっかりと持って、思い続けることが大事だと。
笠井:それが会社といったものを長く続けていくパワーにも理念にもなっていくと。本当に山下さんのお仕事は、会社とか人とかを助けていこうってことを考えてらっしゃるのですね。
山下:それしかできないんで。そういったことをお伝えして、考えていただくということを仕事としてやらせていただいてます。
笠井:山下会計事務所の将来のビジョンはなんでしょうか?
山下:やはり我々、私の考えに賛同してもらえる仲間を作っていきたいと思っています。そういう方と一緒に色々と事業を広げてやっていきたいと考えています。